第202話 2020/5/3 憲法記念日

 本日は11時起き。普段なら何度か途中で目が覚めるものなのだが、今日はまったくそれもなく、いきなり11時を迎えた。何でこう睡眠時間が長いのか。さすがに睡眠導入剤の影響ではないと思うのだが。何とも困ったものだ。


 本日5月3日は憲法記念日。1947年(昭和22年)5月3日に日本国憲法が施行されたことを記念して、1948年(昭和23年)に公布・施行された祝日法によって制定された、とWikipediaにはある。もう70年以上の歴史ある祝日である。日本国憲法も73歳。つまり73年前の現実に基づいて生み出された憲法だ。

 73年も経てば国内情勢も国際情勢も変わる。憲法だけが不変にして不可侵というのは納得が行かない。これまで何度も書いてきた通り、虫けらは基本的に改憲派である。ただ、改憲派だから安倍首相の改憲論を応援しているかと言われれば、必ずしもそうではない。それはそれ、これはこれだ。

 本日午後2時より、改憲フォーラムが開催される。どこで開催されるのか情報がないので不明だが――客を入れないのだから必要ないのだろう――櫻井よしこ氏やケント・ギルバート氏などお馴染みのメンバーが揃い、YouTubeで配信される。そこに安倍首相がビデオメッセージを寄せるらしい。そのメッセージの中で、首相は憲法に緊急事態条項を盛り込む必要性を訴えるそうだ。

 繰り返すが、憲法改正は必要であると思っている。思ってはいるが、安倍首相にそれができるとは思っていない。たしかに現状を踏まえて、憲法に緊急事態条項を書き加えたいというのは、気持ちとしてわからないではないが、いまの政府が身動き取れないのは、憲法に緊急事態条項がないせいなのか。それって憲法を持ち出す事で、できない言い訳をしているのでは本当にないのか。

 昔「ベンチがアホやから野球ができん」と言ったプロ野球選手がいたが、安倍首相は「憲法がアホやから政治ができん」とでも言いたいのだろうか。単に憲法よりも各省庁のシステムが邪魔をして動けないだけなのでは? つまりは官僚を手足として使いこなせない人物が国家を率いている事が問題なのではないかという気がしないでもない。

 虫けらは日本に生まれた事を心底有り難いと思っている。この国には感謝しかないし、10万円の給付金も有り難く頂戴する。しかし、だから政権に対して無条件で支持を与えよという理屈は受け入れられない。もう一度言うが、それはそれ、これはこれだ。

 戦争を放棄して軍事力を持たないとしながら、自衛隊は軍事力ではないから保有しても大丈夫、みたいな歪な憲法がいつまでも生き残っていて良い訳はない。現行憲法を維持するなら自衛隊は存在してはならない。しかし自衛隊のない日本が生き残って行けるほど世界は甘くない。ならば軍事力の保有を宣言すべきだし、そのために憲法改正が必要ならすぐに改正すべきなのだ。

 高邁な理想は美しい。しかし憲法とは文学作品ではない。美しければ良いというものではないだろう。すべての法律の基本となる原理原則がまとめられているのが憲法のはずだ。実用的でない憲法に何の意味がある。理想を表した何かが欲しいのなら、憲法とは別に作れば良いだけの話である。

 ただ、変化には力が必要だ。国家的な変化ともなれば、莫大なエネルギーを要する。その巨大な力を集約できるだけのリーダーシップがなければ、いまの日本で憲法改正などできる訳がない。そして、安倍首相にそれが可能とはとても思えない。この非常時に官僚を黙らせて政治主導で国を動かせない総理大臣に、どんなリーダシップを期待すれば良いのか。

 誤解のないように書いておくと、安倍首相は決して無能ではないし、独裁者でもないと虫けらは思っている。好き嫌いを別にすれば、平時には優秀なリーダーだ。だが非常時には存在感が消える。なので非常事態に限ってのみ権力を集中させる非常事態省が必要なのではないか。まして憲法改正など、国家を分断させかねない人為的な非常事態を作り出すようなものである。安倍首相が本気で自分の任期中に憲法を改正したいのなら、憲法改正の専任担当大臣を指名して、周囲を憲法学者でガチガチに固めるくらいの事は最低限すべきだろう。そこまですれば、国民の間にも議論が生まれそうな気がするが、現状では改憲だ護憲だと勝手に叫ぶ連中がいるだけで、議論はまるで行われていない。この状況で国民投票など無意味だ。

 3日に公表されたNHKの世論調査では、「憲法以外の問題に優先して取り組むべき」が78%を占め、「憲法改正の議論を進めるべき」の13%を大きく上回ったという。さもありなん、である。個人的には新型コロナウイルス対策や経済対策と並行して憲法改正議論も進めるべきだと虫けらは思うが、どちらかを選べと言われれば前者を選ぶだろう。NHKの質問の仕方に恣意的なものがあるのではと思う部分はあるものの、この空気感を読めないのは首相の側にも問題があるように感じる。

 とりあえず、NHKの日曜討論に自民党の代表として稲田氏を出すのをやめるところから始めてみてはいかがだろうかと考える次第。


 短いが、本日はこんなところで。ネタがない。北朝鮮が韓国側に銃撃を行ったという事件があったが、ありがちな話だしな。詳しい事など不明のまま有耶無耶になるだろう。

 昨日は1000文字ほど書いて『魔獣奉賛士』を更新できた。前回の更新から6日である。もうちょっと更新間隔が短くなれば嬉しいのだが。今日も頑張るか。

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