第121話 2020/2/12 8050問題とか

 本日は10時半起き。それまでに3度か4度起きているのだが、そのたびに寝てしまった。昨日は別段そんなに疲れる事をした訳でもないのに。犬の散歩に行って朝食を摂ったらもう半日が終わり。やれやれ、どうしたものか。


 昔の人は言いました。「老いては子に従え」と。しかしこの言葉は親が老いたときに子供が自立している事を前提としている。残念ながら、いまの時代にそのまま通じる言葉では必ずしもない。

 親が高齢になったとき、その子供が自立できず家に引きこもりとなっているケースが日本では少なからずある。これを「8050問題」と言う。8050とは親が80歳になっているのに、50歳の息子が引きこもっている事を指す。文化の違う欧米ではまだ少ないが、おそらくは将来増え、やがて世界的な問題となるのではないか。

 虫けらはもう親はない。だがその生活は引きこもりに近いので、他人事とは思えない。引きこもる人間の気持ちはわかるし、そもそも日本の場合は一度引きこもった人間が復帰できるような社会ではないしな。

 とは言え、親が生きている間はまだ何らかの形で子供も生きては行けるのだが、親は死ぬ。まず間違いなく寿命で子供より先に死ぬ。その後の子供をどうするか、社会が真剣に考えなくてはならん状況にあると思う。

 11日、長野県警は67歳の派遣社員の男を死体遺棄容疑で逮捕した。10日に別の案件でこの男に話を聞いていたとき、「母親が行方不明」と話したのだそうだ。それを不審に思った警察が自宅を捜索したところ、母親と見られる死体を発見した。どうやら昨年4月頃に死亡してからずっと放置していたらしい。

 この男は――実際どの程度働いていたのかは不明だが――とりあえず派遣社員なので、8050問題の対象ではない。だがこういう厳密に言えば定義からは外れるものの、極めてそこに近い状態にある家庭を含めれば、8050問題は政府の想定以上の広がりを見せるだろう。何とかして早い段階で手を打たねば、将来この国はとんでもない状態になるかも知れない。

 親が死んだから年金がもらえず生活に困窮し、しかし生活保護は水際作戦で門前払いされ、高齢で職歴もないため就職もできない。こうなれば、あとは自殺するか犯罪者となって刑務所に入るくらいしか道は残されていない。そんな人間が山のように居る社会が安定する訳はないし、治安が良くなるはずもない。

 問題が多々あるとは言いながら、いま現時点における日本はまだ良い国と言える。だがこれは砂上の楼閣である。足下を補強し続けなければ、そう遠くない将来に波にさらわれて崩れ去るしかない。それまでに何とかして欲しいのだが、何ともならんのだろうか。


 虫けらにはまったく縁のない世界の話だが、春闘が始まっているらしい。企業と労働組合とが賃金や労働環境について団体交渉をしている訳だ。そんな中、トヨタ自動車の労働組合が12日に要求書を会社側に提出した。

 基本給のベースアップや定期昇給などを含めた賃上げの総額として、1人当たり月額1万100円の引き上げを要求したのだが、ベースアップについては「人事評価に応じて差をつける」新たな方法を提案したそうだ。主張するだけではなく譲歩もするという事なのだろうか。

 だがこれをやると、会社に気に入られた人間だけが昇給するシステムが出来上がるのではないか。トヨタの労働組合がどっちを向いているのか良くわかる話である。まあ、他人の給料なので別に構わないっちゃ構わないのだが。


 フィリピン政府は11日、1998年に締結された「訪問米軍に関する地位協定」を破棄すると通知した。180日後に有効になるそうだ。訪問米軍というのはあまり聞かない言葉だが、フィリピンとアメリカは一応同盟国であり、共同軍事演習なども行う。その際に国外からフィリピンにやってくるアメリカ軍が訪問米軍である。

 地位協定については日本もアメリカと結んでいるが、基本的に不平等なものである。しかし不平等で構わないというものではあるまい。改善はされるべきだし、最悪の場合、破棄する事も選択肢の一つとしてあるべきだ。

 アメリカは次の大統領選挙でトランプ氏が勝とうが民主党候補が勝とうが、おそらくアメリカ第一主義は継続されるだろう。防衛費の積み増しは必ず求めてくるはずだ。それを無視はできない。だが思いやり予算を増額するのなら、その代わりに地位協定くらいは見直されて当然ではないか。それを要求すらしないとなれば、日本政府はいったいどこの国の代表機関だという話になる。

 日本とフィリピンでは事情が違うのだから、真似をしろとは言わない。だが参考にはすべきだろうと思うところ。


 10日、ドイツの与党キリスト教民主同盟(CDU)のクランプカレンバウアー党首が辞意を表明した。彼女はいずれ同党の前党首で現首相のメルケル氏から首相の座を「禅譲」されると見られていたのだが、それが白紙になった模様。

 メルケル氏はいまの任期が終われば首相を辞める事をすでに表明している。CDUは次の党首、すなわち次の首相候補を早急に決定しなければならない。しかし世論調査によれば、次の首相候補はいないという意見が36%で最多を占めたらしい。どこの国の政界も人材不足は深刻である。


 本日はこんなところで。

 昨日は1500文字ほど書けた。まあまあと言える。もっと集中力があればもっと書けるはずなのだが、ない物ねだりをしても仕方ないしな。何とか頑張ろう。

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