第21話 2019/11/4 スモッグとか

 本日は10時起き。うがー。6時には目が覚めていたのだが、体が動くまで時間がかかった。

 今日は振替休日か。どうしよう。買物に行くべきか。そろそろ冷蔵庫の中がスカスカになっているのだが、外に出たら車多いだろうしなあ、ああ、面倒臭い。


 インドは人口において世界2位、この面では中国に比肩しうる唯一の巨大国家である。一応民主主義国家とされてはいるが、あまりにヒンドゥー教思想が根深くはびこっているがために、一般にイメージされる民主国家とはかけ離れている。その典型がカースト制度であろう。

 カースト制度が憲法17条によって禁止されたのは1950年の事である。だがいまだにカースト差別は解消されず、現実のインド社会はカーストの区別を前提として動いている。インドといえばITに強い事が有名だが、IT関係の職業はカーストによる定義――カーストによって、やって良い職業が決められているのだ――の範囲外であるため、あらゆるカーストの人間が就く事が許されているらしい。故に人気の職業となり、才能が集中したのだ。

 このようにメンタリティにおいては、土着信仰にしばられる世界各地の先住民と変わらない。もちろんそれが悪い事ではない。ただ現実問題として、近代化された社会や文化とは相容れない部分がある。

 他の国と表面的に付き合う事は可能だろう。都市部に高層ビルを建てる事もできるだろう。しかし平等や基本的人権といった概念を受け入れるのは難しい。繰り返すがそれは悪い事ではない。しかし欧米型の社会を実現するのが極めて難しい国家である事は前提として理解すべきだろうとは思う。

 たとえば今月2日、マハトマ・ガンジーの生誕150周年を記念して行われた演説において、モディ首相はこう述べた。

「60か月で6億人がトイレを使えるようになった。1億1000万台を超えるトイレが設置された」(AFP)

 何の話かと思うかも知れないが、インドの都市部以外では、家にトイレがない家庭が多いのだという。10年ほど前まで、トイレ普及率は50%程度だった。モディ首相はそれを改善するために尽力し、この5年で6億人、つまりインドの人口の半分くらいの人々がトイレを使えるようになったと言うのだ。つまり計算上は、インド人すべてにトイレが行き渡った事になる。

 このトイレとは、家のトイレではなく、おそらく公衆トイレの事だろう。だから専門家は文句をつけている。「まだトイレなしで暮らす国民が数百万人規模で存在する上、古い慣習のせいで新たに整備されたトイレの多くが使われていない」(AFP)と。つまり公衆トイレを使えるカーストと、そうでないカーストがあるのだ。

 そんな国である事を考えると、こういう事態も仕方ないのかも知れないと思える。

 3日、インドの首都ニューデリーでは大気汚染指数が健康に有害なレベルにまで上昇した。この指数は100になると極めて有害で、健康な人体にも危険とされるが、それが810まで上がったのだそうだ。

 原因は自動車の排ガスや工場の排煙、近隣地域の農地で刈り株を燃やす野焼きの煙など。この濃密なスモッグのために市内の学校は5日まで休校となり、建設作業も中止された。またインディラ・ガンジー国際空港を離発着する航空機には遅れや行き先変更が相次いだという。

 こういう大気汚染などの話題になると、「日本も昔はそうだった」という声が上がるが、昔の日本といまのインドでは、公害対策技術の有無という決定的な違いがある。車の排気ガスや工場の排煙は、清浄化する技術がすでにある。政府が導入しようと思えば、理屈の上ではできるのだ。ただ、インドでそれが現実的だろうか。

 大気汚染の解消は、民間企業から行政機関まで横断的に協力しなければならない。しかしカーストで分断されたインドでは難しいのではないか。農地での野焼きをやめさせるにしても、法律で禁止しただけでは誰も従うまい。法律よりも憲法よりもヒンドゥーの教えの方が大事なのだから。

 日本から見ると、インドは対中国を考える上で重要なパートナーである。友好関係は大事にしたい。ただ、相手を理解したり、こちらの考えを理解させたりする事は難しい国家でもある。日本人の「当たり前」や「常識」は通用しない。そういう国と、どうやって仲良くやって行くかを考える必要がある。とりあえず、お互いにあまり近づきすぎない方が良いように思うのだが。

 

 ドイツのドレスデンと言えば、第二次世界大戦末期の爆撃で有名なのだそうだ。そんなドレスデンの市議会は10月30日、「ナチス非常事態」と題した、極右過激主義に反対する決議案を可決した。

「暴力を含む反民主主義的、反多元的、差別的かつ極右的な意見」

「反ユダヤ主義や人種差別主義、イスラム嫌悪」(以上AFP)

 などが増加する傾向にあると言う。

 ドイツには『西洋のイスラム化に反対する愛国的欧州人(PEGIDA)』という反イスラム団体があるそうなのだが、これがドレスデン発祥なのだという。毎週反移民デモを行っているらしい。

 また、ドレスデンのあるザクセン州では、反移民政策を掲げる『ドイツのための選択肢(AfD)』が9月の州議会選挙で、27.5%の票を獲得している。要はこれらに対する危機感から生まれた決議案であるそうな。

 気持ちとして理解できない訳ではないが、そっちの方向に人心が流れるには、それなりの理由があるだろうとも思う。何の理由もなしにそうはならないはずだ。その理由は解決できているのだろうか。根本を放置したままで高邁な理想だけを掲げ続けても、いずれ破綻するしかないと思うのだけれど。


 槍を持ち甲冑に身を包んだ騎士が、左右から馬を走らせ、すれ違いざまに相手を突いて馬から落とす、と言えば中世ヨーロッパを舞台にしたドラマや映画などでお馴染みの光景だが、この馬上槍試合が、オーストラリアのビクトリア州、リークリークで行われたのだそうな。対戦したのはイングランドチームとオーストラリアチーム。

 イングランドとオーストラリアの間で行われるクリケットの試合にちなんで『アッシズ』と名付けられたこの対戦は、互いに3人の騎士が、2日間にわたって試合を繰り広げた。槍が折れたら1点、砕けたら3点などと点数制で競い、今回は89対75でオーストラリアが勝利した模様。次の対戦は2年後、イングランドで行われるそうだ。

 こういう文化があるのは羨ましいところ。まあ日本でも対戦ゲームはなくはないのだが。雪合戦とかスポーツチャンバラとか。ただ、あんまり歴史的背景がないのがちょっと惜しい。


 マクドナルド本社のCEOが解任されたそうだ。理由を簡単に説明するなら、従業員に手を出したのである。独身だったそうだし、お互いが合意の上なら問題ない気もしないではないのだが、まあパワハラ的要素がなかったとは言い切れないしな、虫けらも気をつけよう(何に?)。


 今日はこんなところで。あんまり面白いネタがなかった。

 仕方ないな、面倒臭いが買物に行ってくるか。まだ餃子が山ほどあるので、買ってくる量はそんな大してないしな。さっと行ってさっと帰ってこよう。

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