第9話 2019/10/23 木造とか

 本日は10時起き。犬の散歩行って朝飯食ったらもう昼だ。うがー。そして今日は犬の散髪の日である。昼になったらすぐ出かけなければならない。そんな訳でバタバタしている。いつもより遅い時間に更新する事になるが、まあ仕方ない。そんな日もある。


 住友林業は江戸時代創業で300年以上の歴史を誇る老舗企業である。元々はその名の通り林業と木材の販売を行っていたのだが、いまでは木造住宅や不動産事業が収益の中心らしい。

 その住友林業が、創業350年を迎える2041年に、高さ350メートル、地上70階建ての高層ビルを、木造で建設するプロジェクトを立ち上げたのだそうだ。茨城県つくば市にある研究拠点が21日にメディアに公開されたらしい。

 この施設では、高層ビルを建設するに当たって、

・3時間燃え続けても構造を維持することができる火災に強い部材の開発

・鉄骨などを使った高層ビルの2倍に上ると試算されている建設コストを抑えるための技術の研究

 などに取り組んでいるという。

 国内では過去11階建て以上の木造高層建築が施工された例がなく、住友林業の社長曰く、

「再生産が可能で、持続可能な資源である木材を活用し、高層ビルの開発を加速させていきたい」(NHK)

 とのこと。

 うーむ、凄い話なのだろうけれど、ちょっと心配にもなる。木造高層建築のメリットが全然わからないからだ。もちろん、木材が「再生産が可能で、持続可能な資源」である事は重要なのであろう。しかしそれだけでは、いわゆる「意識高い系」にしか訴求しないのではないだろうか。

 無論、環境意識が高いのは悪い事ではない。しかしこれで建設のために木材を輸入したりすると、すべてが台無しになるのではないかと思えてならない。

 再生産が可能だという点を強調するのなら、日本国内で生産する木材で建築してもらえないだろうか。コスト的に無理があるというのであれば、それは最初から無理な計画なのだと思う。海外の森林資源を実験のために浪費するのは、あまり褒められたことではない。

 日本国内の、それも出来れば杉材で、比較的安価に高層ビルが建てられるとなれば、技術的にも経済的にも画期的だろう。杉をバンバン伐採して、その跡を雑木林にする事が出来れば、杉や山林を巡るいろんな問題に光明が見えるかも知れない。

 木材を主要建材とする高層ビルは、いつか解体するときに出る建築ゴミのかなりの部分を焼却処分できるという点で、環境に優しいと言える。どうせやるなら、高い理想を持って頑張っていただきたい。


 昨日は即位礼正殿の儀が無事に執り行われた。儀式開始とともに雨が上がり、ビルをかすめるような低い位置に虹が架かった。神様も空気を読むようである。

 この儀式には国内から1576人、海外からは191の国と機関の代表423人が参列した。その海外からの来客の1人に、フィリピンのドゥテルテ大統領がいた。当初の予定ではドゥテルテ氏もこの後の饗宴の儀に参加するはずだったのだが、骨盤近くの背骨の辺りに「耐え難い痛み」を訴えて、帰国する事になった。

 ドゥテルテ氏は今月5日に『重症筋無力症』を患っている事を公表、そして16日にはバイクを運転中に転倒し、擦り傷やあざを作っている。また若い頃にもバイクで事故を起こして脊髄を痛め、鎮痛剤のフェンタニルを使用していると明らかにしている。今回の耐え難い痛みがどれに由来するものなのかはハッキリしないが、健康状態に不安があるのは間違いない。

 しかし、もしいまドゥテルテ氏が大統領の座から退いたら、麻薬戦争は中途半端で終わってしまうだろう。ここまで強引に物事を進められるリーダーは、フィリピンには当分出て来ないはずだ。喜ぶのは麻薬組織と人権団体である。あとイスラム過激派もか。何にせよ碌な事にはなるまい。もうしばらく頑張ってもらいたいのだが、74歳だからなあ。果たしてこの先どうなるのやら。


 イスラエルでは4月に総選挙があったものの、右派の第一党『リクード』の党首であり現役首相のネタニヤフ氏が組閣を行えず、9月にやり直し選挙が行われた。組閣するには連立や閣外協力を合わせて議会の過半数の議席を必要とする。9月の選挙でもリクードは第一党となり、リブリン大統領は再度ネタニヤフ氏に組閣を要請した。

 ところがネタニヤフ氏がまた組閣に失敗した事が21日に明らかになった。どうしても6議席足りなかったらしい。これを受けてリブリン大統領は、リクードと接戦を繰り広げた中道の野党統一会派『青と白』を率いるガンツ元軍参謀総長に組閣を要請するとの見通し。ガンツ氏はこれを受ける模様。

 もしガンツ氏が組閣に成功すれば、ネタニヤフ氏は退陣し、ガンツ新政権が誕生する。現在のネタニヤフ政権は2度目で2009年から10年続いている。1度目は1996年から1999年の3年である。13年も首相をやれば、もう十分ではないかという気もするのだが、ネタニヤフ氏の周辺には汚職の噂が絶えない。もし首相の座から引きずり下ろされた場合、司法の捜査が及ぶ可能性があり、すなわち政治生命が絶たれるやも知れない。

 もしネタニヤフ氏の影響がイスラエルから消え去れば、中東情勢は変化するだろう。どう変わるのかはまったくわからないが、何らかの変化を呼ぶはずだ。特にパレスチナやイランへの対応が変われば、目に見える変化が生まれる。アメリカがもしトランプ政権の継続を選べば、対イスラエル政策も変わるだろう。すべてが良い方向に、平和的な方向に進んでくれれば有り難いのだが、こればかりは断言できない。

 もしかしたら、想像以上に巨大な波が起こるかも知れない。注意をしておく必要があるように思うところ。


 そんな訳で犬の散髪から帰ってきた。3ヶ月に1回くらいの頻度なのだが、毎度疲れる。

 さて読書であるが、松本清張氏の『疑惑』は面白かった。物凄く面白かった。と言うか、これ映画を観た人こそ読むべき小説だと思う。こんな改変するのか、よくここまで手を加えて一本の映画として成立させたな、と感心する。換骨奪胎とはこういう事を言うのだろう。ちょっとビックリした。

 次は何を読むかな。別に迷う必要もないのだけれど、出来れば脳みその違う部分を使う本にしたい。頭の中を攪拌するためにも。

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