リリアン

【リリアン/岸 政彦】


底の見えない真っ暗な海のような内面を抱えた人々が、

大阪で出会って関わっていく。


変化したり癒やされたり、は特にしない。

ただ、それぞれの抱える真っ暗な海のような内面を垣間見たり、見なかったり。

相手の暗い部分が見えそうになって、怯えたり、

自身の暗い部分とうまく折り合いがつかずに潰れそうになったり。


『自分を許せないのは、誰かほかのひとを許してないんちゃう?』

『「優しいやつは、役に立たんのや」』


それでも、生きていけてしまうということが、怖い。

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