背高泡立草

【【第162回 芥川賞受賞作】背高泡立草/古川 真人】


やわらかな文体で、

心地よく読むことができました。


建物や道具と共にあった人間たちの大きくも小さくもない歴史の数々が、

物置の周囲に生い茂る雑多な草のように、

粘り強く生い茂っているようで、

それでいてあっけなく刈り取られていくようで、

背高泡立草のように他の草、

他の歴史の数々に埋もれて立ち消えていく様が、

どことなくたくましい。

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