第118話 時間切れ

 


「一撃で仕留めようとするな! 削れ! 削れぇ!」

『がるうぅぅう!』


 破壊され巨大な台地と化したオオカミ城の上を風の如く駆ける複数の影。

 月夜に照らされる闇風たちの名は人狼ーー世界最強の生物とうたわれるこの大陸の覇者たちだ。


 そんな彼らは、現在狩りの真っ最中である。


 複数人の人狼による悪夢のごとき猛攻を生身で受けるのは、突如現れた犯罪者予備軍のような風体の男。


 人狼たちは彼を取り囲むようにして、真空波を放ちまくっていた。

 といっても、人狼にとっては軽く腕を振るだけの簡単な動作だ。

 通常の生物ならそれだけで十分に肉塊へ変えることが出来る。


 当然ただの一撃で戦いが終わっていないことを考えれば、敵もまた尋常な存在ではないことがわかるだろう。


 最強生物たちをして攻めあぐねる人間。

 彼らは薄々感じ始めていた。

 この人間もまた”遥かなる強者”なのだとーー。


 ーーガガガァァ


 人狼たちは腕を振るだけで空の雲を消し飛ばす存在だ。

 もしそんな彼らの攻撃に耐える者がいたとして、戦闘を一瞬で終わらせず、集団で殺意のある攻撃を仕掛け続ければ当然、戦場はただでは済まない。


「隊長! 城がぁぁぁあ!」

「見ればわかる」


 絶え間なく発生する爆発的な衝撃。


 その戦闘の余波に耐えられず横幅数キロの巨大な山のような城が豆腐のように裂けていく。


 人狼たちの生活に耐えられるように、人間の知恵を借りて数年の歳月をかけて作られた居城が今崩壊しているのだ。


 400年前にこの城が完成した頃から隊長だった身としては、ナポレオにはもちろん思うところはある。


 出来るものならこの不届きな男をオオカミ城から離して、戦闘を始めるべきだったんだろう。


 だが、おそらくこの男は言うことを聞かない。

 実力行使をしようにも、男の実力が未知数である以上は迂闊なことはできない。


 万が一にでも負ける可能性はないが、油断はできない相手だ。


 崩れ行くオオカミ城の瓦礫を足場に、ナポレオはたちは空中を飛びまわり攻撃を続ける。


「誰が足場を崩して良いなんて許可したんだ」


 舞い散る巨大な瓦礫群が弾け飛んだ。


 自身が一番偉いと信じて疑っていない傲慢な男の声。

 隠せない圧倒的なオーラは触れるだけで周囲の瓦礫を粉砕しているようだ。


「あれは……まさか剣気圧なのか? 初めて見る使い方だな」

「人間たちめ、また勝手に新しい戦闘技術を生みだしたか」


 ポケットに手を突っ込んだまま、地面があれば直立していたであろう姿勢のまま落下していく男。


 そんな男に対して「狼王の牙」の隊員たちは崩れる瓦礫を弾いたり、投げたりすることで、空気を打ち出すよりも確実な攻撃に移行していた。


 だが、そんな狼人たちの遠隔攻撃にされるがままの男はまっすぐにナポレオとレインだけを見つめている。


「あいつこっち見てるぞ」

「見てるな」


「なあ、そこのワンちゃんたちは遊んでくれないのか?」


 男は呑気なしぐさで、自身へ投じられる稲妻のような速度の岩石群を手で払いながら眠そうな目で言った。


 非常に、非常~に不愉快だ。


 ナポレオは表面上落ち着いたような印象を受ける人狼だが、風態に似合わず負けず嫌いなふしがある。


 三つ子の魂百まで。


 彼は不愉快になると同時に久方ぶりに人狼に逆らってくる男に興奮していた。

 吸血鬼との衝突がまだ頻繁にあった若い頃は猛勇として名を馳せた人狼だ。

 この状況にワクワクしてしまうのは闘争者として仕方ない事なのであろう。


「ふふ。遠隔での攻撃に効果が見られない以上、これを続けるのは無意味。レイン、部下たちを一旦下がらせよう」

「わかった、いいだろう」


 レインはナポレオの表情が嬉々としていることに肩すくめながら部下たちに指示を飛ばした。


「よし、これで良い。お手並み拝見だな」

「よく見ておけ」


 ナポレオの頼れる笑顔に勝利を確信し、レインは自分の部隊とナポレオの部隊の部下を率いて男から距離をとった。

 落ちゆく瓦礫を足場に使って迅速に観戦モードに移行する仲間たち。


 味方の待機距離100メートルちょっと。

 すこし近すぎる気もするが......。

 まぁこれだけあれば十分か。


 眼前数十メートル離れたい空中を瓦礫とともに落下する男。

 視線を鋭くナポレオは男をにらみつける。


「お前は少しはやれるんだろう? かかってこい」

「勘違いするな。だ、アーカム・アルドレア。ささっとかかってこい」


 お互いに一歩も引かない傲慢な人間と傲慢な人狼。


 彼らがちょうどお互いの癪に触った時、落下していた両者の体が隕石の衝突のような衝撃を持って地面に激突した。

 見た目以上に超極大の質量を携えた人間と、人智を超えた筋肉密度を誇る神の最高傑作ーー。


「傲慢が過ぎるぞ。俺様たちは身の程を知らず、敬意を払えないやつらが大嫌いだ。わきまえろと言っているだろう犬」

「人狼だと、言っているだろう? それに客観的に見て傲慢なのは、人狼様の城をぶっ壊しておいて詫びれもしない貴様のほうだ」


 落下の衝撃など何のこともないようにお互いの作ったクレーターから出てくる怪物たち。


「なぜ詫びる必要がある? 俺様たちがしたいからからやった。この世の事象すべては俺様たちの意思によって許すか、許さぬかを判断する。畜生に詫びるなど言語道断」

「オオカミだ」

「さえずるな犬」


 傲慢の男は手をひらひらさせ周囲の塵を吹き飛ばす。

 あまりにもおざなりな動作なのに、巻き起こった暴風のような風で塵どころか瓦礫すらも吹っ飛んでいく。


 ここで攻めるか。


 ナポレオは土ぼこりが晴れたことにより、視界がひらけた瞬間をさっそく攻撃機会と選んだ。


 地震の震源地を足裏に生成しながら行われた水平跳躍によって、ナポレオは男へ意識の合間を縫って肉薄した。


「ッ」


 自身の想像を遥かに超えた速さに驚いたのか、男は目を点にして迫ったナポレオと相対していた。

 まるで時が止まったかのような鈍重な視線のやりとり。

 人間としては最高峰に高い身長故に、アーカムは目の前に迫った人狼の顔を真っ直ぐに捉えていた。


 ナポレオはアーカムの驚愕する表情から確信した。


 勝てるーー。


「ウラァァア!」


 ナポレオは動き出した時の流れに遅れず食らいつき、加速力の乗ったこぶしで悪魔すら泣き出す地獄の腹パンを敢行。

 その瞬間、ナポレオの拳は光に包まれまばゆいまでにスパークを巻き起こしていた。


 ーーバギャンッッ!


 一瞬で吹き飛ぶ瓦礫地帯。

 消えた男の巨体はもう見えない。


 まんま落雷のような現象が二人の怪物の間で発生した。


 いいや、この現象はもう雷の規模を超えてしまっているのかもしれない。

 パンチの威力はそれだけで天変地異の大災害。


 圧縮され急激に体積の小さくなったあたりの空気は、周囲の瓦礫ともども地面は蒸発させてしまっていた。


 ただいまのパンチで本来なら消し飛ぶ予定の男の体は向かいの山に穴を空けて崩壊させながらも、どこまで飛んでいったかわからない。


 どこまでと続く、高熱を帯びた破壊ロード。


 ナポレオは出来上がった惨状の戦場にひとり佇み、尊大な態度の人間の消えていった方角を眺めた。

 そして10秒待って何もアクションが無いことを確認し、ため息を吐いた。


「はぁ……口ほどにもーーん?」


 所詮は人狼の強さを知らない愚か者だった、と思考したところでナポレオは視界の端に何かを捉えた。

 真っ暗な夜空に輝く青紫色の炎の塊のようなもの。


 次第にそれは大きくなっていく。

 そして、それが何かを認識できるようになった頃、すでにソイツは地面への帰還を果たしていた。


「悪くないだった。が、所詮は犬か」

「なるほど。少しは楽しめそうだ」


 帰ってきてそうそう煽ってくる男は上着を引きちぎりながら上裸になって言った。

 ナポレオは露になった驚愕の肉体に眉根を潜めながらも、男の腹部がわずかに変色しているしていることを確認した。


 よし、ダメージは入ってるな。

 俺の直接攻撃なら十分にこの変態の防御力を突破できる。

 というか傷を負ってることをわざわざ教えてくるなんてな。


「さては、貴様馬鹿だな?」

「わきまえろ」


 ナポレオの素直な気持ちを挑発と受け取ったのか、男はゆっくりとこちらへ近づいてくる。


 返り討ちにしてやる。


「ふっ!」


 再び地面を蹴ってあらゆる生物の知覚を凌駕する速度を生み出す。

 大地の上をしっかりと踏みしめるようにして歩むアーカムへ刹那の後に接近。

 今度は自慢の脚力を顔面へ叩き込むつもりだ。


「オラァア!」


 ーーパシッ


 柔らかく受け止められる足首。


「ッ!」


 霞むような速さで動くナポレオ、その瞳をまっすぐに捉えてアーカムは受け止めた足を無造作に空中で離す。

 ナポレオは一瞬体の制御を失いつつも、たたらを踏んで地面へ舞い降りた。


「一体何のつもーー」


 訳が分からずナポレオが口を開く。

 と、同時に眼前に迫る男の拳を彼は捉えた。

 反射的両手で顔を覆うようにガードを実行。


 ーーパァンッ!


「ぬぅ!」


 まるでそこに星でも降ってきたような想像を超える衝撃がナポレオを襲った。

 全身で踏ん張り、なんとか吹き飛ばないように耐える。

 数十メートル地面を削って後退し、なんとかパンチに耐え切った。


「ふはは、なかなか悪くないパンチ、ん、ぁ……?」


 意趣返しとばかりに煽ってやろうしたところでナポレオは自身の変調に気がつく。


「どうしたんだ、だろ。もうふらふらになっちまったか?」

「あ、ぁ、い……ッ!」


 グラングランと揺れる視界に気分は最悪だ。

 今の一撃、確実にガードしたはずなのに致命的なダメージが入っている。

 まるでガード越しに威力だけしみこんできたかのような攻撃だ。


 この技術、人間たちの数ある技のなかにこういった不思議な技があってもおかしくない。


 ナポレオは眼前の男がただのフィジカルモンスターでないことをようやく気がついたのだ。

 この人間は高位の怪物のをも上回る力に耐久力を持っていながら、高度な武術を扱えるというのか?


「き、貴様、やはら、狩人だな!?」


 揺れる脳を必死に制御して、膝を地に着けながらも闘志だけは失わない。

 腰に手をあて、どこかコメディテイストのある姿勢で見下ろしてくる男を睨み返す。


「いかにも。俺様たちは記録を大幅に更新して史上最年少狩人となった稀代の大天才。100億年にひとりの人間特異点、生きる伝説、ペットハンター、数々の異名を欲しいがままにするアーカム・アルドレア様と、アーカム・アルドレア様だ」


 尊大な態度で腰を折って顔をにゅっと近づけてくるイカれた狩人にナポレオは歯噛み。


「き、貴様、我々にこんなことをして許されると思うなよ!」

「わきまえろ。力なきノミムシの分際で俺様たちを許す、許さないなど調子に乗りすぎだ」


 狩人は指先で軽くナポレオの頭を押した。


「うっ」


 それだけでナポレオの体はいとも容易く地に倒れふした。


「きょ、協会は何を企んでいるんだ、貴様を送り込んで城を襲わせて! これは人類の反逆作戦なのか!? いいだろう、我々の恐ろしさを忘れた馬鹿な人間どもに体で思い出させてーー」

「さえずるな」


 ーーゴキャ


「ぐぅぅう……ッ!?」


 狩人は容赦なくナポレオの上腕を足で踏み砕いた。

 苦痛に顔をゆがめる人狼の戦士。


 実に数百年ぶりの重症に、久々の痛みに、忘れていた感覚がよみがえる。


 ーーパキパキ


「ぁ、ぁぁぁあぁあぁあーッ!」


 倒れふすナポレオの胸部に足を乗せ、アーカムはゆっくりと胸骨をへし折りながら言葉を続けた。


「逆らうな。俺様たちを不愉快にさせるな」

「ぁぁあ……ッ! ぐぅぅぅう……ッ!」


 悶え苦しむナポレオの姿に鼻をひとつ鳴らす狩人。


「よし、大人しくなったなワンころ。俺様たちの質問に答えろ。まずはどうして俺様たちがこんな辺鄙なーー」

「隊長を放せぇぇぇえ!」

「ナポレオ様を救えぇぇ!」


 言うことを聞かない体に、粉砕された右腕、さらに胸骨を押しつぶされ、いよいよ抵抗する気力を失いかけていたナポレオは涙しながら勇猛果敢な叫び声を確かにきいた。


 ー

 ーー

 ー


「うらぁあ!」

「ザコどもが」


 向かってくる「狼王の牙」、第九部隊、第八部隊、第七部隊、さらには城下町から集まった人狼たちが神速で焼けた大地を駆け抜ける。


 生まれながら最強の存在として生きてきた誇り高き戦士が何百と集まり迫ってくるさまは圧巻の一言。

 どんな怪物だって泣いて逃げ出すくらいの迫力があるのだろう。

 だが今彼らが戦おうとしている者もまた最強の自負を持ち、自分の力を信じて疑わない存在だ。


「ぅぎゃ!?」

「ぐへぇ!

「はやッぁあ!?」

「ありえ、ぐへぇ!」

「ぼひぇ!?」


 アーカムは迫りくる無限とも思える人狼相手に一歩も引かず、大地の岩盤をひっぺがえしながら、草木を根掘り葉掘り消し飛ばし、山を崩壊させ作り上げた瓦礫の山を再度ふっ飛ばしながら人狼たちと合間見えた。


 まさに人間の戦いからは一線を画す次元の違う闘争だ。


 戦いは序盤圧倒的にアーカムの優勢で進んでいった。


 近づけばもふもふの毛並みが燃えてしまう謎の垂れ流し高魔力。

 アーカムが腕を振るだけで発生する空気の爆発。

 巧みすぎる身のこなしによる霧の回避能力。

 俊敏過ぎる縦横無尽の機動力。

 攻撃を当てても受けの技術も高等がゆえにクリンヒットを入れる事も困難。

 そもそも攻撃が直撃しても、超合金で出来た惑星を殴っているかと錯覚するほどの防御力の高さのせいでダメージを入れられない。

 一度受けた技は二度と通さない。


 耐久力も力も技も経験も学習能力もすべてが超一流。

 ただただ強い。

 まさに完璧超人。

 無双の権化。

 およそ戦いに身を置く全ての者の到達点、正しい解答の究極系。


 人狼たちはわずか数分の攻防で数百人を無力化されてしまっていた。

 不思議と息の根を止めるようなことはしてこないので、一瞬安心してしまったが、それが自分たちを舐め腐ってのことだと知ると、彼らの心には余計に怒りが沸きあがって来ていた。


 力の差は歴然だった。

 だが、それでもいつかはかならず勝てると皆が信じていた。

 だって相手はたったひとりなんだから。


 人狼たちはま街中から人員をかけ集め、数千人規模の兵力を準備しつつあったのだ。

 さらには、外に出ていた「狼王の牙」もちょうど戻ってきたり、呼び戻しに言ったりと幸運が重なった。


 この「狼王の牙」たちの増援は大きかった。

「狼王の牙」たちの中でも精強なる戦士を揃える、第五部隊、第六部隊の登場によって戦況はがらりと変わったのだ。


 それまで余裕そうにしていたアーカムが彼らの登場によって急に押され始めたのである。


 戦力的にも数千人の人狼と戦っているのだから、そりゃ押されるのは当然のことわりだ。

 相手は生物なんだから疲弊して然るべきなのである。

 しかし、それでも異様なほど弱くなっていくアーカムに人狼たちは歓喜した。


 やはりこの人間には余裕など無かったんだ、と。

 余裕そうに見せていたのは生来の傲慢な性格がさせていたのだ。

 この人間は自分の力に溺れていたのだ、と。


 やがてアーカムと人狼の戦いは処刑に変わっていった。


 周りを数千人の観戦する人狼たちに囲まれる中、一対一の勝ち抜きが催されたのだ。


 それでも人狼たちにアーカムは引かなかった。

 血を流しながら、筋肉が裂け骨を引き抜かれても、彼はただひたすらに傲慢だった。


「俺様たちは最強なんだぁぁあ! このゴミどもがぁ! ザコが逆らうなぁ! 俺様たちは一番強いんだ! 一番偉いんだぁぁ! 誰もお前たちに許可してない! 俺様たちが許可してないんだよォォォオ!」


 子供の癇癪のようにわめき散らしながらもいまだ余力をみせ、変わらぬ超一流の受け技で対峙する1匹の人狼の攻撃をしのいでいくアーカム。


 しかし、決定的にアーカムの戦闘能力において「力より技」の比率がグンと大きくなっていることに人狼たちは気がついていた。


 きっとあの人智を超えた強さは長くは持たないんだろう。

 人間をよく知る人狼たちは、目の前であがき続けるアーカムに対して哀れみの感情を抱き始めていた。


 人の域を超え、この男は力に溺れているのだろう。

 男の巧みな技を見ればわかる。

 長く険しい研鑽の果てにつかんだ自信の上に成り立つ確信の戦闘技術たち。


 拳を振れば10分の一の膂力で、10倍の威力を生む。

 狙う部位も確実に相手の体力を削る場所だ。

 時折出る関節を破壊する技だって、雷すら捉える人狼の目を持っていしても、何をされてるかわからない。


「人間は積み上げることで強くなると聞く」


 戦いを遠くから見ていた老いた人狼がつぶやいた。


「だが、やはり人間は人間。どれだけ研鑽を積んだところで人狼に勝てる道理はない」


 老人は哀れみの視線を人狼の集団に囲まれ孤軍奮闘する男へ向ける。


「ふざけるなぁ! ぁぁぁあ! くそォォォオ! このやめろ! 俺様たちを食うな! ふざけんじゃねぇ! この野郎ォォ!」


 視線の先で口汚く叫ぶのは、四肢をもがれ人狼たちに体を食い荒らされる人間。

 なんとか骨と皮一枚だけ残って腕と足が一本ずつ残っている状態。

 もう彼に勝機はないだろう。


 いや、もとから勝機なんてなかったのだ。

 人と人狼が戦えば、最後に立っているのは……。


 やはり人狼なのだ。


 ー


 今宵、ここに人間と人狼の傲慢が生み出した無意味な、本当に無意味な戦いがあった。

 しかし、そんな無意味で壮絶な争いも後の歴史おいて人々を楽しませる逸話として語られることになる。

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