遠距離恋愛

―――私の好きな人は遠く離れた場所にいる――――



暑かった夏が終わり、寒さが肌を刺すようになった秋を迎える


あと幾月、時を過ごせば長く厳しい冬を迎える


ふと空を見上げると澄みきった空には満天の星空が広がっていた


”風邪を引いていないかな” ”今なにしてるのかな”


そんな事を考えながら帰途に着く


スマホのホーム画面にはお互いのツーショット写真


いつも会えないから、お互い頑張るためにと撮ったものだった


街中では時期もあってかカップルが多い


考えないようにはしていてもやはり羨ましいなぁと思う


お揃いのマフラーや手袋、手を繋ぐカップル


やり場のない寂しさが私を襲う


「会いたいな」


気づけばそう漏らしていた


「寂しいよ・・・」


一緒にいる事が当たり前ではない事


抱きしめる事もキスする事もそう簡単ではない事


それでも物理的な距離では一緒に居られないから心だけでも傍に居たい


顔をあげるといるはずのない君がいた


「俺も寂しかったから会いに来ちゃった」


心の中の何かが溶ける音がした





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