よもやま話(6):意識して使わないようにしている言葉
私は小説を書いているとき、なるべく使わないようにしている言葉があります。
その言葉とは。
・潮時
・憮然
・敷居が高い
・確信犯
・煮詰まる
・やぶさかでない
みたいな、意味が変遷している過渡期にあるものや、本来の意味とは違った使われ方する言葉です。以下に少し例を挙げてみます。
・潮時:〇好機、ちょうどいい時期→「今が潮時だ、攻勢に出よ」
×身を引くべき時期→「これ以上戦えない。潮時だ、撤退せよ」
・憮然:〇落胆する様子→彼は絶好のチャンスを逃し、憮然としている。
×不機嫌、不満な様子→彼は一方的に悪者にされ、憮然としている。
・敷居が高い:〇不義理があって行きにくい→「酷いことをしてしまった。敷居が高くて今さら会えない」
×分不相応、ハードルが高い→「あの店は高級すぎる。俺には敷居が高いな」
・確信犯:〇正しいと信じて犯す→「アイツは確信犯だ。その行いが正しいと信じている」
×罪だと分かっていて犯す→「アイツは確信犯だ。その行いが罪だと知っている」
・煮詰まる:〇もう議論は尽くした→「煮詰まってきたようだな。いい会議だった」
×もういい考えは出ない→「だいぶ煮詰まっているようだな。気晴らしでもして来い」
・やぶさかでない:〇けちけちせず協力する→「俺だって助けたいんだ。持ち合わせは少ないけど寄付もやぶさかでないよ」
×してやってもよい→「懐が寂しいんだよね~。でも、ウフフなことしてくれるなら寄付もやぶさかでないよ」
勉強している人なら分かると思いますが、×と書いたほうが間違った使い方です。
しかし間違った使い方でも、言葉の意味は変遷していくものです。これらの言葉をうっかり使ってしまうと、とくに正しい使い方をした場合に、読者を混乱させてしまうかもしれません。
本来の意味を知っている人には問題ありませんが、そんな人は多くないと思うんです。だからといって、間違った使い方だと知っているのに、間違った使い方をするのは偉い人に怒られるかもしれません。
間違っていてもスルーしてくれる、心の広い偉い人だったらいいんですけどね。
だから私は例に挙げたような言葉はなるべく小説には使わないようにしています。
皆さんはどうでしょうか。
今回はココまでです。
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