全6話 BL勇者

渋谷かな

第1話 「女になりたいー!!!」

「女になりたいー!!!」

 俺の名前はセシル。これが俺の願い事だ。

「どうすれば俺の願いは叶うというのだ!?」

 この世の中には不老不死、永遠の若さなど、どんな願い事も叶えてくれる、夢の欠片という物がある。

「ああ~! 女になって、ジャスティンに抱かれたい!」

 ジャスティンは俺の幼馴染で、教会の神父プリーストをやっている。困った人を助ける心優しき男である。いつしか俺はジャスティンに恋心を抱いてしまった。

「でも、俺は男だ!? ジャスティンも男!? いったいどうすればいいんだ!?」

 俺とジャスティンは結ばれてはいけない禁断の関係だった。俺はもがき苦しみ教会の神様に願った。

「神様! どうかジャスティンと結婚させてください!」

「女になればいいんじゃない?」

 神は言った。俺に女になれと。

「でも俺は男!? どうやって女になればいいんですか!? 教えてください! 神様!」

「この世界には夢の欠片という願い事を叶えてくれる欠片があります。たくさん集めて願い事をしてね。」

「ありがとう! 神様!」

 神様は俺とジャスティンが結ばれる方法を教えてくれた。

「夢の欠片か! よし! たくさん集めて願い事を叶えるぞ! 待ってろよ! ジャスティン!」

 俺は、アイ・ラブ・ジャスティンだった。

「そうか、夢の欠片は、この世界には23個あるのか。ふむふむ。」

 俺は書物を調べ夢の欠片と言われる物が23個あることを知った。

「全部集めて、女になるぞ! 女になって、ジャスティンのお嫁さんになるのだ! ワッハッハー!」

 俺は大好きなジャスティンと結婚するために、冒険の旅に出かける。


「子供たちおやつをあげよう。」

「ありがとう! ジャスティン!」

 教会の神父のジャスティンは笑顔で子供たちにおやつを分け与える。

「おお! ジャスティン! なんて優しいんだ!」

 俺の心はキュンキュウして、ジャスティンに首ったけである。

「お、セシル。」

「ジャスティンが俺の名前を呼んでくれた! ああ~! 幸せ! 生きてて良かった!」

 ズキューンと俺のハートをジャスティンは名前を呼ぶだけで撃ち抜いていく。

「大丈夫か? 具合でも悪いのか?」

「いや、大丈夫だ。」

(原因は、おまえだ! と言えるものなら言ってしまいたい。)

 ジャスティンに心配してもらえるだけで幸せな俺。

(はあ!? ということは!? 俺が骨でも折って入院すれば、毎日ジャスティンがお見舞いに来てくれるのでは!? はあ・・・はあ・・・。)

 俺は鼻血ものの良いことを思いついた。

「大丈夫か? 息が荒いぞ。」

 俺とジャスティンの愛の物語である。

 つづく。

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