第3話 2人の初めて

商店街についた2人


「粘土って言っても通じなさそうだし…紙でもいいんだよな。よし!とりあえずそれを探そう!」


「翔。そんなんだから友達出来ないのよ。まずは食料でしょ」


「そ、そうだな。奏の言う通りかもしれない」


「奏って料理出来るのか?」


「ま、まぁ人並みには出来るわよ」


「食料と言えば俺異世界転生される時におでん買ってておでん持ちっぱなしだったわ」


「冷めてるんじゃない?レンジとかあればいいわね」


「宿泊施設にはありそうだな!今日はおでんにしようか」


「出費が抑えられるならそれで構わないけどそんなに買ったの?」


「70円セールだったから2人分くらいはあるよ」


「そうなのね。じゃあ翔の武器…なのか分からないけどお面の材料買いましょ」


「とりあえず街の人に聞いてみるか」


「あら!見かけない格好の2人ね。どうかしたの?」


「あの俺お面職人なんですけどお面の材料的なのってどこに売ってますか??」


「お面…紙か土ね…紙ならそこのバザールで売ってるわよ」


「ありがとうございます!」


「翔。紙で良かったの?」


「本当は粘土なんだけど紙でも作れるし精細な作りが出来るのは紙だしな!」


「とりあえず買うぞ!」


「すみません!紙を1000枚ください!」


「1枚1コインだから銅貨1枚だよ!」


「じゃあこれで…」


「毎度!お兄ちゃんその紙で何するんだい?」


「お面職人なのでお面作ります!」


「ほぉー…面白いやつがいたもんだ!また来いよ!」


「ありがとうございます!


「ってことで一応俺の武器は揃った。日が暮れてきたし。明日は奏の防具と武器買いにいこう。今日は宿探しだ」


「そうね。なるべく安い宿があればいいけど…」


「そこにあるシャトーってところはどう?」


「ま、まぁ二部屋借りる余裕もないし。翔は無害そうだから一部屋でいいわ」


「いらっしゃい!お2人さんかい?2人だと500コインだよ」


「ここは私が払うわ。銅貨でお願い出来るかしら?お釣りはコインでもらうわ」


「はいよ。205号室ね」


「行くわよ翔。」


「おう!って俺女の子と2人で寝るって初めてで寝れる自信ない…」


「私だって初めてよ!疲れたからシャワー浴びたら寝るわよ…ってその前におでん食べましょうよ」


「あー。レンジ的なものあるかな?」


「これじゃないかしら。使い方よく分からないけどテキトーにやってみるわ」


「ガーガーガー」


「これって魔法で動いてるのか?」


「多分この世界を考えるとそうらしいわね」


「出来たみたいだわ 」


「おぉ!俺のおでん!めっちゃ美味そ!」


「でも箸1つしかないわね…」


「まぁ1人で買ったからな…気にしないならこの1つを2人で使うか?」


「そんなこと気にしないわよ!お腹減ってるし私から食べさせてもらうわ」


「奏はおでん好きか?」


「ま、まぁ嫌いではないわね」


「ちくわあるかしら…うーん…あ。あった」


「ちくわが好きなのか?」


「おでんと言ったら練り物ってイメージなのよ。頂くわ」


「もぐもぐもぐ…久しぶりに食べると美味しいわね」


「おでんのポテンシャルすげぇだろ!でもこの世界で日本食食べられるのはこれで最後か…」


「別に翔が作った訳じゃないでしょ…でも確かに私達のいた世界の食べ物はこれで最後になるかもしれないわね」


「寂しいもんだな。さぁて俺はシャワー浴びるよ。どうやらバスローブ的なのはあるらしいから」


「洗濯機っぽいものもあるわね…」


「洗濯機ってよく分からないんだよな。奏。出来るか?」


「ま、まぁさっきの電子レンジ的なのと同じなら使えると思うわ」


「じゃあ俺のシャツ洗っといてくれ」


「わかったわよ…早くシャワー浴びてきなさい」


「んーと。ここをこうかな…熱っつ!熱い!!どうすりゃいいんだ!!えーと捻って。これでちょうどいいか」


「全くうるさいわね翔…入るわけにはいかないし任せとくしかないわね」


「はぁー。疲れが取れる…ひとしきり浴びたしもう出よう。」


「奏ー。出るぞ」


「はーい。洗濯機回しておいたから次は私が入るわ」


「バスローブあるか?」


「置いておいたわよ」


「さんきゅな!」


「バスローブ…なんかごわごわするな…」


「仕方ないわ。ここ比較的安い宿泊施設みたいだし」


「じゃあ俺おでん食ってるから。奏。入っておいで」


「わかったわ」


「ふぅ…シャワーは気持ちいいし疲れがとれるわね…」


「翔。リンスしてないわね…男の子ってそーゆーものなのかしら」


「眠いしひとしきり浴びたし。もう出ようかしら」


「翔ー!出るわよ。」


「おー。俺はベッドだからバスローブに着替えな」


「全く…ドライヤーくらいかけなさいよ」


「ドライヤーがないんだよ」


「あ…そういえばないわね」


「タオルドライしかないよ」


「仕方ないわね…セミロングだから時間かかるわよ」


「んー。わかった。俺先に寝てるよ」


「わかったわ」


「ふぅ。やっと乾いたかしら…ってベッド1つしかないのに翔が寝てる!?他に寝るとこないし仕方ないわね…翔の横で寝るしかないか…」


「男の子と2人きりかぁ…そういえば翔は女の子と2人きり初めてで寝れないとか言ってたくせにすぐ寝たわね。まぁ私も疲れたし寝よっと」


「Zzz… 」


2人の夜はなにもなく終わった

2人で食べた

おでんの容器だけが残っていた…

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