この世に存在するのは悪魔。神などとっくの昔に死んでいる
りぃ
第1話 手紙
朝目を覚ますと机の上に一通の手紙が置いてあった。
『拝啓 寒さが身に感じ、枯れ葉舞う季節となってきました。
さて、紅松様は悪魔様に
希望に満ちた楽しい殺し生活を送れる事が出来ますようお祈り申し上げます。』
殺し生活?
氏名も住所も書いてないし……俺は手紙くしゃくしゃにしてゴミ箱へ捨てた。
━━俺は
「お兄ちゃーん、ご飯出来てるよー」
「今行くー」
俺は階段を降りてリビングへと向かった。
「父さんは?」
「ついさっき出ていったよ」
「……そっか」
おはようくらいは言いたかったなと思いながら幸が作ってくれた朝ごはんを食べる。
今日の朝ごはんはレタスにベーコン2枚と目玉焼き一枚。テーブルの真ん中にはクロワッサンや食パンといったパン類が乗った皿が置いてある。俺は食パンを手に取りベーコンと目玉焼きを乗せて食べる。
「やっぱり幸のご飯は美味いな」
幸はあからさまに俯いて耳の先まで朱色にそめていた。
「あ……当たり前でしょ!」
えっへん!と恥ずかしさを勢いで殺しながら冴えない胸を突き出した。
「……どうかしたの?お兄ちゃん何か様子が変だよ?」
そりゃ朝っぱらからあんな気味の悪い手紙を読まされたら色々考えちゃうよ。
「幸あの手紙は何時誰が持ってきた?」
幸が首を傾げた。
「私手紙なんて知らないよ?」
それならあの手紙を置いたのはお父さんなのだろうか?
「黒い封筒だよ?全然知らない?」
コクコクと幸が頷いた。
ならおあの手紙を置いたのは父さんかな。お父さんが帰ってきたら、その時聞けばいいかなと呟きご飯を完食した。
「なんだその不気味な手紙は」
今朝の手紙の事を話しているこいつは
「ほんと蓮みたいに不気味だね〜」
俺らの話を盗み聞きしていたこいつも俺の幼なじみ
そんな二人には勉強では勝ってるもののあとの全てにおいて負けている。そんな俺があの二人と話していると周りからすごい目で見らる。
「なんで遊君が蓮君なんかとはなしてるの?」
「なんだ?蓮のやろう。俺らの凛ちゃんを独り占めするつもりか?」
「れ……蓮くんの困ってる顔も最高。僕の物にしたいくらい」
最後のは例外として、いつもこんな事を言われている。何年も一緒にいるからもうそういう言葉には聞き慣れたが、嫉妬ってこわいな。
「てか凛、そりゃどうゆう事だ?」
「冗談だよ〜怒らないで〜」
と両手を左右にふりふりしながら言ってくる。これがまた可愛いからイライラ何て秒で吹っ飛ぶんだよな〜。
救いのチャイムが鳴り放課後。
俺は一緒に帰っていた幼なじみ二人と別れて帰宅した。
「ただいま〜」
返事はない。俺は階段を上がり自分の部屋に入った。机の上にバッグを置こうとしたその瞬間。
「……まじかよ」
バッグを置こうとした机の上には、今朝俺がくしゃくしゃにした『手紙』が置いてあった。中身を見るか見ないか迷った末、見ることにした。
『拝啓 寒さが身に感じ、枯れ葉舞う季節となってきました。
さて、紅松様は悪魔様に
希望に満ちた楽しい殺し生活を送れる事が出来ますようお祈り申し上げます。』
今朝と同じ内容の手紙で不安が高まる。今朝のように手紙をくしゃくしゃにしようとしたその時、手紙の後ろからもう一枚の紙が落ちた。何かが書いてある。
『依頼その一。明日の朝九時までに君のクラスの担任
……は?
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