第16話 ハグレメタル
一方その頃地下室では
生命の泉が満たされ桶は
その浄化作用で漬けてあった羽衣は
輝くような白さになっていた
溶け出た諸々の物が一つに集まり
赤身を帯びた球体プルプルのそれは
スライムのように桶から這い出て
泉の方に向かっていった
ゴキュゴキュと音を立てて
泉の水を飲むと
2つに分かれ4つになると
再び1つに集まって
プルプル震えると
遠心分離機にでもかけたように
中身が分別され紅い玉と銀の玉を中心に2つに分かれた
紅い玉が光ると
少女のような形のスライムになり
生まれたばかりの子鹿のように
プルプルと震えると
銀の玉のスライムより
銀色の球体が表面に薄く伸び
滑りのある光沢で
メタルスライムのよう
泉の周りを転がると
表面に砂鉄のような赤茶けた砂が
ビッシリと付き仔犬のような形に
変体するとプルプルと震え
燃え上がる溶けるように溜まった
銀色の水溜まりに人型のスライムが人差し指から紅い雫を一雫垂らす
紅と銀の2匹の蛇が絡まりながら
螺旋を描き幻視のように消えた
人型のスライムは姿を戻し丸くなると
銀色の水溜まりを吸い尽くすと
泉の中に消えていった
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