第4話 白き守護者

迷いの森の切り立った崖の上城門前に幼女が立っていた


まぁ妖女と言ってもいいだろうが・・





ヴァーミリオン・シ・ナバー


生命としては人間のソレではなく究極の生命体である


後出しジャンケンかよって話ではあるが


まぁぶっちゃけ物理で結界を壊すとか隕石でも降らせるかどうかなので


仕方ないのである


ちなみにヴァ・バーと略してはいけないお約束である


いろいろ失礼な紹介になったが見た目は容姿端麗


陶磁器のような白い肌に緋色の瞳


燃えるような髪の毛は高めのツインテール


普段は朱や茜色のゴスロリ服を着ているが


今はアルマジロのような一式鎧に身を包んでいる





ヴァーミリオンは左腕を前に掲げ無詠唱でバンバン火球を発射する


対岸の跳ね橋にガンガン当たるがレジストされているのか音は派手だが


燃えず


壊れず


動きもしない





「もぉ なんてもの作ってるのょ」


私がこなければぁ永遠に何も始まらないと少女は確信した





「結界なんかぁ 触れなきゃいいんだもん」


突如ヴァーミリオンの体が炎に包まれる


徐々に温度が上がり334度を超えた瞬間


とぷんと黒い水溜りの中に沈み込んで少女が消えた





砦の中庭黒い水が湧き出してきて徐々に人型に戻っていく


「百騎さぁん 出番ですよぉ」


チェスのナイトの駒のようなスタチューを取り出し式盤の上に置いた


盤と言ってもチェスのそれではなく中央に八葉の花その周りを八角形の淵取りがしてある


すると薄い影のような騎士が槍を構え横一列に4人2列出現しました





箱の中の人ゴルゴダは未だ覚めぬ夢を見ていた・・・





「いっくよぉ どぉん」





ゴルさん絶対絶命・・・





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





古びた箱が光り始めると


白い女性が現れた


眩しくて確認できないが


白い肌白い髪、顔には黒い帯で目隠しがされ


両手には黒檀の木刀のような短めのものが握られ


顔から伸びた帯にリボンのように結ばれ


肩に置くように高く掲げられている


箱の淵にしゃがんだ姿勢で蹲り


シャドーナイトとでも言うべき存在が


後数歩に迫った時全身を伸び上げて


高く跳躍する、


振り上げたその腕を振り下ろすと


影騎士の姿は崩れるように掻き消え


紫の火の玉がブオンと音を立て


ヴァーミリオンの体に吸い込まれるのだった

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