決断

人を欺く天国もあるだろう

孤独に寄り添う地獄もあるだろう


七色の妖精達が降る

鉛色の優しさが積もる


もしも地球ほしという生き物がたおれたならば

舟にもたれた絶望の夜を往け


理解という名の世間を殴れ

温もる常識のヴェールを破れ


塞がれた耳に流れ込んでくる

レクイエムを奪って胸に育ててみる


二度と帰らぬ瞬間ときに後悔の鐘が鳴れば

肌に貼り付いたあの日々の夢達が戻る


幾つもの夜に辿り着いたとしても

躊躇ためらいもなく落ちる陽の光のせいだろう


多くの傷を生んだとげの答えよりも

雫を生んで果てた水の呼吸いきよりも


ふとそよぐ風の言葉で苦しむこともある

もしもそれが 生きる ということならば


もしもそれが 生きる ということならば



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