意識

意識の鐘が今日も鳴る

嗤い声を溜め込んだバケツを手にして

避雷針に自ら突き刺さる雷の

ほんの一瞬に生まれる死体のように

バリバリと噛み付く鐘が また今日も


酔いどれの風が景色のペンキをベリリと剥がす

まぎれた人も透明な裸にされては

毒色をした心がさらされる

薄くなっても腐るだけの哀しい果実を

人は行き連れに今日も


意識は何故と問いかける

薔薇に寄り添う鋭いとげ

一体何故と嗤いだす

遠い雷鳴のように嗤いだす


また明日突き刺さるのは

一体誰になるのだろう

どんな顔で 空は暗くなるのだろう


ああ 一体何なのだろう

不幸を招き寄せる旅に出る

この 意識 とは


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