第一歩

胸の奥のひさしを そっと外してみる

陽光は瞳を焼いてなお尖り

家路の途切れた肌の涙は

ジワリと震えながら ただ滑らかに朽ちていく


凍てつく針山にてのひらを載せて

夢の神経を我武者羅がむしゃらに狂わせる旅人よ!

甲にし掛かり キキキとさえずる氷塊は

敵か味方か──あるいは嘘か──


嗚呼 今日もまた 苦くて甘い夢に酔う……!


旅人よ!

私という 第一歩の旅人よ……!




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