第10話「それって必要?」

 「ところでアリス、気づいてるかい?」

チェシャー猫は皮肉ひにくっぽい笑顔でアリスを見上げる。


「何よ、チェシャー猫?」

アリスはまだ先ほどの余韻よいんひたって御満悦ごまんえつだ。


「この物語はフィクションです。忘れてる」

第7話~第9話まで書き忘れていた。


「大丈夫よ、書いてるのわたしじゃ無いから!」

アリスは都合のい時だけ他人の顔だ。



この物語はフィクションです。

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