02
お昼の会議用の資料を超特急で作り終え、データを坪内さんのパソコンに送る。
同時に必要枚数コピーも取って、坪内さんのデスクにドヤ顔で持っていってやった。
「サンキュ。」
顔も見ないでそっけなくお礼を言われるので、
「できる秋山が補佐でよかったですねぇ。」
と嫌みを言ってやる。
坪内さんはモニターから視線を私に向けると、
「そうだな。」
と軽く笑った。
嫌味で言ってやったのに真面目に返されると少々照れる。
あの王子様スマイルに、世の中の女子はころっと落ちるんだろうなぁ。
だってやっぱりかっこいいんだもん。
まあ、私は落ちませんけどね。
腹黒って知ってますから。
てか、認めたわね。
できる秋山を。
席に戻って仕事をしていると、坪内さんが声を掛けてきた。
「秋山、早飯行くぞ。」
「いや、私はお昼からの会議は出ないので。お一人でどうぞ。」
「お前も会議出ろよ。」
「ええっ。嫌ですよ。」
なぜ主任以上が集まる会議に、平社員の私が出なきゃいけないんだ。
だいたい、坪内さんだけで十分でしょ。
しつこい坪内さんに手をこまねいて課長に助けを乞う目線を送ると、憐れみの目で見つめられた。
「勉強になるから、秋山さんも行っておいで。」
課長が言うなら従うしかない。
私は渋々席を立った。
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