渋子の何でも屋

渋谷かな

第1話 私の辞書に不可能はない!

「なにやってるんですかー!」

 現在の状況、コンビニの変態オーナーと変態店長の男共が、アルバイトのカワイイ女の子を襲っている。そこに一人の女が止めに現れる。

「キャアアアアアアー! 助けてください!」

 襲われているアルバイトの女の子が、現れた一人の女の元へ逃げる。

「もう大丈夫よ! 安心して!」

 この現れた女、名前は懺悔渋子。年齢不詳。ただの新人アルバイトである。

「こら!? 渋子! よくも邪魔してくれたな! 新入りのアルバイトのくせに、オーナーと店長のお楽しみを邪魔するとは、いい度胸だな! 金ならやるから大人しくしろ!」

「待ってろ、次はおまえを襲って楽しんでやる! うちのコンビニは若い女しか採用しないんだ! これまでも夜勤の女を何百人も襲ってきたんだからな! ヒッヒッヒ!」

 滅多にテレビニュースにはならないが、お金を持っているコンビニのオーナー、そのコンビニの中でだけ一番偉いコンビニ店長に襲われたり、セクハラをされて泣き寝入りして、コンビニを辞める女性は多い。だからコンビニで働きたくないという女性が多い。

「あんたたちみたいなのがいるから、コンビニは人手不足なのよ!」

 その通り。あくまでも渋子は戦うつもりである。

「なんだと!? 痛い目に合わないと分からないみたいだな! やっちまえ! 店長!」

「はい! オーナー! 渋子、俺はおまえが入って来た時から、襲えるチャンスを狙っていたんだぜ! ヒッヒッヒー!」

 やはりコンビニのオーナーと店長は変態である。

「やれるものならやってみなさい! 私の辞書に不可能の文字はない!」

 渋子は堂々と変態2人に言い放つ。

「そこまでだ!」

 その時、たくさんの男たちが入ってきた。

「警察だ! 手を上げろ! 抵抗すると発砲するぞ!」

 警察官が100人位現れて、一斉に拳銃を構える。

「ゲッ!? 警察!?」

「連続婦女暴行犯の現行犯で、おまえたちを逮捕する!」

 こうして変態2人は警察に逮捕されパトカーに連れ去られていく。

「この世に悪の栄えたことはない!」

 渋子の活躍により弱い立場の女の子が救われた。

「渋子ちゃん、いつも捜査協力ありがとう。」

 警察官も渋子に犯人逮捕のお礼を言う。

「ヤスさん、内部調査でしょ? いつも役に立ってるでしょ? 私を警察で雇ってくださいよ。」

 この手の警察官の名前はヤスさんと決まっている。

「コネはダメ。ちゃんと警察試験を受けてね。」

「ケチ! イーだ!」

 この物語は、正義感故に、なかなか定職に着けない女の話である。

 つづく。

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