第一章 転生~異世界創世記~
第1話 全ての始まり
何気ないいつもの通学路を歩く。
いつも通り学校に行き
いつも通り授業を受け
いつも通り帰る。
はずだった―――
俺、時葉 一輝(ときわ かずき)はいつも通り下駄箱で上靴に履き替え教室へと向かった。
俺は特別クラスで人気者というわけでもない普通の学生だ。現在高校二年生である。
まぁ実のところを言うと........
「おい、一輝。遅ぇじゃねーか。ちっとツラ貸せや。なぁ?」
クラスのイヤなヤツに目を付けられている。
彼の名前は佐和橋 亮太(さわはし りょうた)。端的に言うとガラの悪いヤツだ。メンチを切る事は日常茶飯事、先生に怒られては喧嘩を始めようとするヤンキーである。先週のクラス会議で彼が掃除をよくサボっていた事を指摘したのだが、なんとそれで目を付けられる始末。
人目の付かない校舎の裏へ呼び出されると胸倉をつかまれた。
「テメェ、最近調子に乗ってんじゃねぇのか?あぁ?」
気迫の篭った声とともに掴む手の力が増す。
「やめてください.....」
昔から俺は喧嘩が大嫌いだ。喧嘩でなくとも怒るという行為自体が嫌いだ。
親は横暴で好き勝手言ってくる。そんなだから些細な争いごとでもストレスになるので避けたかった。
「そうだ、たしか今は体育館の工事中だったな、よし。テメェには一つ立場を分からせてやろうじゃねぇか。」
そういうなり佐和橋は俺を体育館倉庫まで引きずりまわした。
倉庫には工事用の鉄パイプが上まで積み重なっていた。
まさか.....
「よーし、テメェが醜態晒すまでコイツで遊んでやることにしたぜ。」
カランカランと音を立てながら鉄パイプの一本を抜いたその時だった。
「チッ、しまった!」
佐和橋が声を上げた。
カラカラカラカラ.......!
積み重なった真ん中の鉄パイプを抜いたせいで上に積み重なっていた鉄パイプが崩れて落下して来たのだった。
そのまま避ける間もなく俺と佐和橋を鉄パイプが容赦なく襲った。
俺の意識はここで途切れた。
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