第二首 バレンタインチョコ 六句

 やや機嫌を悪くしている若紫に向け、おれは小さく咳払いを挟み、言葉を重ねる。

「料理の師匠として一ついいことを教えといてやる。若紫、源氏に美味いものを食わせてやりたいなら、若紫はあらゆる"美味びみ"を知っておいた方がいい。飯を作る側が味に不安を持ってちゃ、自信をもって振る舞うこともできないだろ?」

 納得するように、「……一理ある。」と溢しながら、小さく頷く若紫。

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