第一首 唐揚げ 十句。

 ────なんせおれのひとみは、ついさっきまで手にしていた本の装丁に描いてあったような、桃色ピンクとも紫ともとれる色の着物を纏った女児・・が凛とたおやかに佇むその姿を、映し出していたのだから────。


 固まっているおれに向け、それ・・は告げる。


「おいお前、お前がわちしに、飯作る、三木みきみさとなる、男であるか?」

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