あなたの願い、叶えます

@Hallelujah_Hisuiirousagi

プロローグ

こんにちは、お嬢様。おやぁ、これは綺麗な方だ。小さいながらに素敵な魅力を秘めていらっしゃる……。そのアイスブルーの瞳は異世界にでも吸い込まれてしまいそうな程美しく、また人を惑わせるような魅惑の輝きを放って……。


あぁ、申し訳ない。つい私は人のことを観察してしまう。常々悪い癖だと叱られているのだがね、そこの人形の坊やに。


そんなことより?これは至極大切な事さ。人の見た目を細かく観察し、相手の年齢を確かめ、自分の身なりを話し……ここまで来れば分かるかい?そうか。分からないのか。それならそれでいいよ。


今は、まだ。


さて、長らくおまたせしてしまったね。君の要件を聞こう。そう、毎日毎日、長い道のりを登り、黒百合を供えてくれた君の願いを叶えようじゃないか。


嘘なわけないだろう。君から頼みに来たのにおかしいな。その物言いは不自然だよ。


あはは、そんなに怯えなくてもいいよ、意地悪をしすぎてしまったようだね。信用してもらう為に…と言ってはなんだが、このお菓子をお食べ。なぁに、変な物は何一つ入っちゃいないさ。


ほぉら、頬が蕩けるような甘さだろう?それは羊羹と言ってね、ニホンという国の和菓子なんだよ。知ってるかい、ニホン。あそこは素晴らしい国さ。特に愛国主義の者が多くてね。この間遊びに行った時も……


あー、すまない。どうも私は無駄話が好きなようだ。すぐ要らない話をしたがる。さて、軌道を戻そう。君は確か、私に願いを叶えてもらいに来たんだね?


あぁ、やはりそうだったか。これで間違っていたらどうしよう、なんて柄でもないことを考えてしまったよ。さて。


「貴方の願いはなんですか?」

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