イモ 〜 テイマー&サモナー 〜 ダサい名前と強い能力

天神 運徳

未来のイモ娘、夜逃げしてから覚醒する

第X話 最強のイモ娘

 人々は今まさに、危機を迎えていた。

 平原を埋め尽くすのは数万。いやもしかしたら数十、あるいは数百万、数千万もの魔物の集団。

 ドラゴン等の魔物でない強力な生物は存在しないが、この数の前には些細な慰めにしかならない。


 だがそれでも立ち向かう者達がいた。

 冒険者。

 そう呼ばれる彼等彼女等は、各国が足の引っ張りあいをしていて役に立たないと見切りをつけ。

 早々に自身の最高の装備を身に着け、この戦場に馳せ参上した。


 だが冒険者達の顔に悲壮感はない。

 なぜならこの場には、最強の仲間を連れた彼女が居るからだ。

 彼女の事を、ある者は最強のテイマーと呼び。

 またある者は最強のサモナーと呼ぶ。


 地中を生きる者達が魔物を囲む様に、広く深い大穴を空け。

 水中に生きる者達が、水で満たして逃げ場をなくし。

 空に生きる者達が、飛んで逃げる魔物を落としていく。

 唯一外へと繋がった道には冒険者が待ち受け、狩りの好機に歓喜の雄叫びを上げる。


 そう。

 この場を整えた生物魔物の唯一絶対の主こそ、この世で最も敵に回してはいけない相手。

 例えそれがどこの田舎にでもいる、ピンクの髪にソバカスの少女だとしても。

 人々は最後には、彼女を畏怖と尊敬の念を込めてこう言う。

 究極イモ娘、と。

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