めざめる

keびん

第1話

めがさめる

なんでめがさめたのかもわからない

からだをおこすとどうじに、あたまもゆっくりうごかしていく

ふうぅっと口癖のようにため息がでる。

やたら口が臭い。そういやあ昼は何を食った?まぁいいか。なんでも。

まだ頭の痛みも体のダルさも残っている。

ああ?なんだっけか。なにか頭の中に浮かんだ気がしたが、すぐに消えてしまった。思い出すのに読み込みが遅い。

とにかく俺は着ているモノを全部脱いだ。ああ思い出した。そう小さく呟いて仕事着をさがす。

ベランダから見える空は分厚い雲がイキリ散らしていた。また、秋とは思えない湿気があった。

ハンガーにかかった制服を手に取り、鞄に突っ込む。

脛まである長めの靴下を履き、外に出られる格好に着替える。

時計を見るとまだ出発まで十五分もある。

ドカッとソファーに座り、時間になるまで待つ。

目の前では猫が座椅子でくるまりながら寝ている。

俺が動いてる時も寝ていたのかこいつは。全く図太いヤツだな。ふふ。しかし、いかんせん十五分というのは長いものだな。退屈しのぎにからだを伸ばす。

窓からはカチャカチャと食器の音と、ピョーピョーと下手くそなリコーダーの音色が聞こえる。

疲れた。寝て起きただけだが疲れた。

もうトップオブザ疲れた。アルティメットスーパーファイアボール疲れた。

いやたまらんよまったく。出発まであと五分になってから行きたくなくなった。

渋る体と脳ミソを無理矢理動かし立つ。

ふうぅっとため息がでた。あ、そういや口濯いでねぇわ。

玄関の前に洗面所に向かった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

めざめる keびん @momo10nanami03

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る