第113話 神は天にいまし、すべて世は事もなし

 それから、間もなくして王宮の一室で王様達の会談は行われた。

 私たちは、関与しなかったので内容は分からないが、これから正常に国政が行われていくのだろう。


 十代二十代が主力の国政なんてやっぱり無理がある。

 王太子殿下やアラン王子たちも正常運転だ。

 つまり、学園生活を楽しんでる。エイリーン様は、結婚の準備で学園に中々行けないんだけどね。

 世界を超えても準備は女性の方が大変か……。


 あの悲恋の恋愛小説のモデルはリーン・ポートと魔導師様の事だったらしい。

 魔導師様が大切にしていた女性が王様の側室になり、あげくに大戦の犠牲になったとの話。女性は国を護ることを魔導師様にお願いして亡くなってしまう。魔導師様は、愛しい女性の遺言の通り魔法物を創って後世に残していなくなってしまった。あとは史実の通りである。



 私はというと、お役御免でのんびりと……ってはずだったのだけど。

 なぜか司令官の執務室で書類と格闘中なんだけど……。

 まぁ、リーン・ポートとは関係無く着いた役職だもんね。って、リーン・ポートも消えた訳じゃ無いんだけどさ。

 みんなも、役職変わってないから仕方ないか。


 アボット侯爵とホールデン侯爵からは、交互に『シャングリア』のケーキが届いてる。

 太るからやめて。って思うけど、お詫びの品らしい。本当かなぁ。特にアボット侯、惰性で送ってそう。

 絶対悪いって思ってないよね。

 私の執務室には、なぜかセドリックやサイラスが入り浸ってるし……。

 時々、クリフォードもやってくるな。あとは、隊長や隊員……結構色々な人が……って、たまり場か?

 ケーキが減って助かるけど。



 いや、どこも親父さん達が復帰してくれたんで、子ども達はのんびりしてるって感じかな。

 学園を卒業してからの王太子殿下の結婚式後、社交シーズン前にセドリックとの結婚式をする段取りも整いつつあるし。


 これからも、きっと色々あるのだろうけけど、今は


『神は天にいまし、すべて世は事もなし』※という心境である。


 神がいるかは、分からないけど。






                              おしまい



※『神は天にいまし、すべて世は事もなし』赤毛のアンの最後の言葉というのが一番身近でしょうか。元の詩は長いので興味のある方は調べてみて下さいね。


 ここまで読んで頂いて、感謝しかありません。

 ありがとうございました。


 次は『アラン王子殿下の憂鬱』です。↓または次へを押して進んで下さいね。

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