第39話 閑話 みんなで お茶会を

お茶会参加。

リナ エイリーン ジークフリート 宰相 アラン アルフレッド



「剣かなにか扱えた方が良いですかね、私」

 皆でお茶会してるときにボソッとつぶやいた。


 ここは王宮の一角。良い具合に日の光が入るテラスになっている場所だ。

 皆が身分差無く、くつろげるように宰相が人払いをしてくれた。

「良いですわねぇ。私も殿方みたいに格好良く、剣で敵を薙ぎ払いたいですわ」

 エイリーンが話に乗ってきてくれた。いや、カッコいい良いとかじゃ無くてね。


「可愛い女の子が実は剣豪でした。とか格好良いよね」

 とは、アラン。

「まぁ、格好良いよな。この国、剣を扱えるかどうかは別として。女性の騎士団員っていないし」

 セドリックはアランに賛同する。


「別に、騎士団の募集は男性限定にしてないんですけどね。応募者がいないだけです」

 宰相がそういえばって感じで言う。騎士団って女性O.K.なんだ。

「リナは、僕を携帯してたら良い」

 アル兄様、自ら便利グッズ宣言してるし。

 兄を携帯するって何よ、意味分からない。


「剣なんて……手にまめは出来るし、最初は水泡潰して痛くても、剣握らされるし、相手と手合わせしたら肩に響くは、骨折れるんじゃ無いかってくらい胴体痛くなるわで、ご飯食べても痛いし……」

 なんか、ジークフリートが呪いの言葉吐き始めた。

 ト……トラウマか?

「せっかく女の子に生まれて、そういうの免除されてるのに、何を好き好んで剣なんか」

「やめような、その辺で。それ、普通にみんな通ってきた道だから……」

 セドリックは、放っておいたら延々と続きそうな、ジークフリートの愚痴を止めた。

「まぁ、だいたい俺の親父の所為なんだけどな。親父、スパルタだから」

 近衛騎士団の現役団長でしたっけ……そういえば。


「リナ様。本気で剣術を学びたいのでしたら講師を探しますが」

 宰相が私に、話を振ってきた。このタイミングで?

 私が断るの前提で言ってるなぁ。

「宰相様は、必要だと思いますか?」

「結論から言うと、不必要かと。男性のように、騎士にならなくとも幼い頃から剣術を学ばされてるのなら別ですが。剣をまともに振れるようになるのに数年。騎士団の新兵にも勝てないでしょうね」


「剣を振るうのも、大変ですのねぇ~。見てる分には簡単そうなのに」

 いや、エイリーン。知ってたでしょう……絶対。

 少しは剣振るえるって言ってたよね。

「エイリーン様。だめ押ししなくても素直に諦めますよ」

「あら、私はリナ様が剣術習うつもりでしたら、付き合って私も始めるつもりでしたのよ」

 にっこり笑って言われた。このお方も、どこまで本気なんだかなぁ~。

「ごめんなさい。せっかくのお茶会なのに、変な話題振って」


 特に、ジークフリート……本当にごめん。

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