まいにちニコニコ!日めくれ!五人少女!!

KP-おおふじさん

日めくり開始直前

衣玖いく「やるわよ……毎日更新シリーズ……」


 衣玖いくは席に着くみんなを見回しながらそう言った。子供のような見た目の割に口調は成熟している女性のようでいる。それはそうだろう、彼女はIQ3億を超える至高の天才であるからだ。……のだが、今の口調はやや震えていた。


留音るね「おい衣玖いく……本当にやるのか……っ?!地獄を見ることになっても知らんぞ……!」


 ゴクリ、と留音るねは生唾を飲み込んだ。彼女は衣玖いくと対象的に長身で、ブロンドロブのよく似合う引き締まったモデル体型は彼女の普段からの運動量が伺える。女性的なプロポーションから発せられる男勝りな口調に違わず、格闘技をこよなく愛する留音るねが抗議した言葉に、衣玖いくがぐっと力強く返す。


衣玖いく「知名度のためには……ね」


 そこに机に突っ伏している艷やかな黒髪の少女がこう言った。


西香さいか「え~毎日ってなんですの~。わたくしめんどくさーい。人気なんて金出して萌絵書けるどっかの誰かに美少女のわたくしをセンシティブに描いてもらえれば一発だって言ってるじゃありませんの~」


 その少女の名前は西香さいか。控えめではあるが均整の取れた体つき、そして口調ほどに嫌味を感じさせない顔つきは、まさに"見た目だけは美少女"という言葉を表した存在である事に間違いはない。それに対して今度は真凛まりんが意見した。


留音るね「もう、西香さいかさんはそうやってすぐ楽をしようとするんですからぁ。でも衣玖いくさん、どうして毎日更新なんて修羅の道を征こうとしているんですかぁ?^^」


 朗らかで、どこか他人事のように楽しそうに言った真凛まりんは、よく似合う淡い赤髪を遊ばせながらそう聞く。真凛まりんは親しみやすい普通さがあるが、今の言葉にもどこか重いプレッシャーを感じる。それはきっと彼女が『みんなが無茶な事をして心が折れるのが楽しみ』という、サイコパスじみた考えが下地にあるからだろう。


衣玖いく「それはね……私達の活躍がそこそこちゃんと始まって一ヶ月位経つけど……全くステータスが伸びない!!!おかしいでしょ!?私達のそばには神ですらひれ伏す最強の美女神少天使女神びめがみしょうてんしじょしんであるあの子あのこもついているのに!!!」


あの子「(>_< )」


 あの子は「自分はそんなふうに美少女の言葉の中に女神と天使と神が入るほどすごくない」と必死に謙遜しているようだ。だが確かな事実である。それが原因でセリフや姿など、ほとんど描写されないのだから。あの子と呼ばれる存在の容姿を説明するとしたら、それは極光や後光、天光とでも言う他無い。この子から発せられる全ての生きとし生けるものへの最高の賛美歌となるのだ。それはどんな芸術家であっても表現することは不可能なのである。


 留音るねは腕を組んでこの世界での自分たちの人気の出なさについて回想する。


留音るね「まぁそりゃさ、あたし達のホームじゃあたしらはこの世界でのアベン○ャーズ並の人気だよ?でもここだと完全に無名スタートなんだ。評価もブックマークもほとんどつかないのは仕方ないことだろ」


衣玖いく「そう。でも諦めきれない。あの子だってこんなに活躍してくれてるのに、それがスタッツ数で報いていないのよ?だからその現状を打開するために、はぁ、私達は修羅になる必要がある。心配しないで、はぁ、ネタさえあればどうにかなるはずよ……はぁ、はぁ」


 これは天才の衣玖いくでも考えなしの企画であったのだ。その事に対する不安から息切れ気味に語っている。


西香さいか「説明段階で息切れしてますわ。そんなに怖いならやらなくてもいいんじゃありません?」


衣玖いく「おバカ西香さいか!とにかく誰かの目にとまんないと伸びるもんも伸びないのよ!!少しでも見てくれる人を増やすために!!やると言ったらやるの!!」


真凛まりん「わぁい、頑張るぞぉ~☆」


 真凛まりんはいつも通り、能天気で朗らかにそう言うのだが、留音るねの心配は止まらないらしく「はぁ」とため息を一つついてから企画者の衣玖いくに訊ねる。


留音るね「……で、いつからやるんだ?」


衣玖いく「今日。まもなくされるはずよ」


真凛まりん「わぁ~っ、タネのある未来視だぁ~♪」


 とってもためになるニコニコ五人少女の日めくりカレンダー、はじまるよ!

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