こんな可愛いヒロインたちに囲まれれば、過去のトラウマなんて消し飛ぶ。

REVERSi

1 章 日常編

0. プロローグ

 人生とは選択した結果の積み重ねである。そしてそれは絶対的な時間の流れに支配され、決してやり直すことが出来ず、一時停止することも許されない。そういうわけで、人生を全て思い通りに進めることはまず不可能なのである。


 だからこそ選択を迫られた場合には真剣に向き合い、その結果がどうであろうと受け入れる精神力が必要であると、俺は考えている。


 自身の選択を後悔したことがない人間はまずいないだろう。いるとすればそれは、あらゆるものに恵まれた幸運の持ち主に違いない。もしくは良くも悪くも、強い自信を持ち自己肯定感に溢れている人物だ。


 とにかく、大抵の人間は選択と後悔を繰り返しながら生きているわけだが、後悔を未来への力に変えるか、それともその過去に囚われて前が見えなくなるかによって、その後の人生は大きく変わるに違いない。


 そしてまた、各人それぞれが選択を繰り返し、歩んできたその人生を他者が全て知ることは不可能だ。他者について理解出来ることは、それまでの人生経験によって形成された現在の人格や価値観のみである。


 その表面に現れている相手の今の個性が、自身にとって受け入れられるものか、そうではないか。それが好き嫌いの根幹であり、意識的であれ無意識的であれ、人付き合いに大きく反映されるファクターだ。


 最後に、人は時に仮面を被り、己を偽る。好かれるため、嫌われないため、目的を果たすため、その他いろいろ。様々な理由はあれど、悪意を持って偽りの姿を演じるのであればそれは誰かを傷つける可能性を孕んでいる。


 実際に酷いトラウマを植え付けられた俺が言うのだから信憑性はそれなりにあると思う。



 とまあ、ここまで長々と分かり難い考えを語ってきたが、言いたいことをまとめるとこうだ。


 「人生ってハード過ぎない? 他人って何考えてるか分かんなくて怖くない? 彼女はおろか友達をつくるのもキツくない?」





―――

 これは、選択の物語。


 人との関わりを通して多くの岐路に立ち、何かを選びながら後悔し、それでも前に進む物語。


 こんな考えを持った俺が、今からは想像もできないような価値観を「君」に貰う物語。

―――



 「―――― 好き ―― 俺と付き合って ―――― 」


 そこに至るまでの、俺の…………。

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