愛した記憶

 深い愛は、決して消えない。


 深く愛した記憶は、決して失われることがない。




 輝く微笑み。

 眩しい日々。

 共に手探りで進んだ暗闇。

 再び降り注ぐ日差しを仰いだ朝。


 手を伸ばせば、それはいつでも鮮やかに蘇る。




 やがて、必ず訪れる別れ。


 愛する人を手放す痛みは胸を激しく突き、とめどなく涙を流させるかもしれない。


 

 それでも——

 その痛みや涙すらも、その先の自分自身を力強く支え、温め、励ますものであると、私は知っている。





 真っ直ぐに、深く愛した記憶は、決して朽ちない。



 命のある限り——

 もしくは、その命が尽きた後もなお。





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