ちょうどいい望み

死に物狂いに、必死になって手を伸ばすほど、望むものには手が届かない。


神様って、結構そういう意地悪なところがある。



だから。

こう思っていたい。


あったらいい。けど、なくてもいい、と。



死に物狂いでなきゃ届かない、という望みは——もしかしたら、私はいらない。


心を失うほどにすり減らさなければ得られない何かは、私はいらない。



それよりも。

目の前の幸せをキャッチできる喜びを、私は手放さずにいたい。



目の前のことに夢中になっているうちに——

気づけば、欲しかったものが、ひょこっと側まで来ている。



そのくらいの望みが、私にはちょうどいい。




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