田舎者のトライ&エラー

Norqneko

第1話 レイジと迷宮都市

「やべぇ、財布なくした…」

英雄を目指して田舎からやっとの思いで迷宮都市にやってきたら

財布を無くすなんて、はぁ…

「どこに落としたんだろう…」

「すいません、これ落としましたよね」

声を掛けられ、振り返るとそこには白銀の髪の可愛い女の子がいた

「あ、あのー?あなたのじゃないんですか?」

「へ?」

その女の子は俺の財布を持っていた

「あ!はい!俺のです!ありがとうございます!!

 焦ったぁ~マジでもう終わりかと思いました」

「は、はいどういたしまして。それじゃあ私はこれで」

「まってください!あの、お昼まだですよね!?」

「え?」

「俺ここに来たばかりでよく知らないんです。おごるんで色々教えてください!」

「はい…まあいいですけど、まだ来たばかりでよくわからないということですし

 私がよくいく店に行くので、ついてきてもらえますか?」

「はい」

そのお店は『An take』(あんたけ)という店で、洋風の料理を取り扱っていた。

俺はハンバーグドリア、彼女はパスタを頼んだ。その料理は素材の味を良く引き立てていてとてもおいしかった。食べ終わったころに彼女が

「あの…あなたの名前を教えてもらえないでしょうか?

 あなた、だと話しにくいので」

それもそうだな、と素直に思い

「俺の名前はレイジ。田舎の方から冒険者になるために来ました。」

「レイジさんですか…。わたしはヘーゼリッタ。AW(アネストホイール)というクランに所属している冒険者で、ランクは青です。」

「すいません、ランクって何ですか?」

「ええっと、ランクとはその名の通り冒険者の等級を示すもので、

下から順に白、緑、青、赤、黒となっています。各ランクの実力の目安は

白→初心者、緑→ルーキー、青→ベテラン、赤→一流、黒→超一流

ってところです。」

「と、言うことはヘーゼリッタさんはベテランってことですか?」

「そういうことになります。」

「えっと…そのAWっていうクランに俺が入ることって可能ですか?」

「AWはまだできたばかりで私とクランリーダーしかいないので全然大丈夫ですよ。」

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