「風」
姫亜樹(きあき)
「風」
「亡くなった人たちの魂が
風になって
ぼくらを見守っている」
と、いう歌が流行っている
風になっている魂は
ぼくらの親しい人たち
ばかりではないよ
戦火の中、天災の中
何も食べられず
亡くなった人たちも
風になって
ぼくらを見ている
たくさんの食べ物が並んだ
スーパーの中で
奥の方から食べ物を
ずっと冷蔵庫に入れっぱなし
食卓にあげることもせずに
食べ物を捨てる姿を
彼らは見ている
風になって
彼らはずっと見ているんだ
「風」 姫亜樹(きあき) @Bungo-2432Da
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます