第48話 結婚反対その2

「そんな待って下さい。」


「では、お聞きしますが、英語は?」

面接官のような質問を投げかけて来る。


「一級持っています。」


「ホウー では、フランス語は・・・?

イタリア語は・・・?



中国語はどうですか?

マーケティングを広めるには


内助の功が必要です、

外国のパーティにはほぼ、

妻同伴なんですよ。

つまり語学は必須なんです。」


陽和も語尾に力を入れて

「勉強します。

根性はあるんです。頑張ります。」

と言った。


「ん〜、今御幾つですか?」


「26です。」


「ハハハ26ですか?結婚して、育児し て、勉強? 無理ですよ。

語学はもっと早めに勉強しないと、

それに覚えてもらうことは山ほどあ

りま す。あなたは付いてこれません

よ。」


「やって見ないと分からないでしょ

う。」

陽和は自分を否定されて、

少しイラついた。


「やって見てからでは、おそいんで

す。 息子の為に、語学を勉強し、

国々のあらゆる事を学び、結婚に向

けて、準備した女性が何人もいます。

息子には、絶望させたくないん

です よ。」


「え・・・・・・・・・でも、


・・・で・・・も

御両親は、私達の事は反対なんです・・・ね。」



「ハッキリ言えば、反対ですよ。」


「・・・・・・分かりました。

でも入院中はお世話させて下さい。 私の不注意ですから。」


「後から特別室に移します。

もう貴方は来なくて大丈夫です

よ。」


「え、あ、は・・・い。でも。」


「話はこれだけです。」

慶一道の父慶志郎は言う事を

ハッキリ言った

反対する意味も・・・

陽和が努力してもどうにも

ならない事も、

彼の嫁候補も決まっていて

陽和はその対象で無い事も!


しかし慶一道が陽和を庇い

怪我した事は、まぎれもない事実、

このまま放っては置けない。


面会時間になり慶一道の所へと

足は向かう。


「どう、慶一道痛い?」


「おう、陽和か、大丈夫、大丈夫‼

もう帰っていいよ。二、三日入院し

たら帰れるんだって、サ。」



「フフフ良かった。」


「陽和がいるからもっと入院したいん だけど 仕事があるからな、退院

しなきゃな‼」


「うん。副社長だもんね。

良かった、軽くすんで凄いよ

ね。」


「陽和を取り戻したから、安心したか な眠くなった。

陽和、今日は飯食って無いだろ

もう帰っていいよ。」


「うん、明日仕事終わったら

見にくるね。何かいる?」


「陽和のキス。」

と慶一道は口をとがらせた。

「やだぁ、オッサン見たい。」

キャー

〈〈シッ重傷の患者さんいるんです💢〉〉


看護師さんは目を吊り上げて

怒って来た、

シッシッシッと

陽和は追い出されてしまった。


次の朝、

母がいつものように起きていた。

「お母さん、ごめんね。

居心地悪くならない?」


「うん、大丈夫、気にするな陽和

じゃ行って来るね、帰りに副社長

に会って来るから。」


「うん。私も帰りに寄って見る。」


「陽和、大丈夫なの?

お母さん、陽和の事応援する、彼は

頼りになるいい男だよ。」

母は、母なりに心配してくれてい

る。

あんな事からバレてしまい、一番動

揺して いるのは母かも知れない。


「うん。」


母親はいっもドタバタドタバタと

家をでるのに、

車のキーを掴むと今日は静かに

出ていった。

多分あんまり寝ていないのだろう。


昼休み慶一道の特別室を尋ねてみた。

賑やかな声がエレベーターまで聞こえる。

綺麗なキャピキャピした女の子たちが、ワイワイ集まっていた。 見るからにキャバクラのお気に入りの子達だと分かった。

慶一道とほとんど、

関係した子達なのかな?

そんな余計な事をつい気になってしまう。



「早く退院して、遊びにいこーよ。

旅行、お泊まりでいこう。」


「わぁ私も、」

「わたしーも」

「あー、ハイハイ場所決めとけよ。

何人で行くかもな」ハハハハ


「慶一道ーん。キス😙」

「私もー」

「私もー。」

「はいはい、チュッ、チュッチュッチュッ

はい、 終わり‼」

「えーほっぺじゃ嫌﹏ん。」


「よせよ‼でもなー!


俺は彼女連れて

くから

おまいらは、男用意しろよ。

それからな!もう遊ばないから

俺、彼女一筋だから諦めろ‼」


「えー」

「えーえーだれぇ〜」きゃあきゃあ


お見舞い所じゃない。

陽和は、ため息つきながら

仕事に帰っていった。


午後5時、慶一道の部屋へ

ふたたび 向 か う。

ドアを開けようとしたら・・・


「どうしたの怪我なんかしちゃっ・・・

気を付けないとダメよ。」


「大丈夫だよ、結衣、お前こそ

フランスにいたんじやないのか?」



「やだ、慶一道のパパから、慶一道が 怪我し たか ら見舞いに来いって電話 があったの‼」


「え、何で?オマイが来るんだよ。」

「え、だって慶一道と結婚するんだか ら 当たり前でしょ。

関係もあるし、」


「まさかそれ親父に言った?」


「うん、言ったよ、パパにも。」


「えー、何で言うんだよ。

遊びだって確認してヤっただろう。お前も遊びで俺も遊び

ついそんな、雰囲気になったからって言ったろう。」



呆れた顔をして、慶一道が

結衣を問い詰めていた。


「だあって、良かったんだもん。

絶対、慶一道の妻になるの‼

あのモデルと噂になった時はヒヤヒ

ヤしたけど、遊びだったんでしょ。

おじ様達は反対みたいだったけど

続か無いから安心しろって、

おじ様は仰ってたの、あたったわ〜 ♡」

ミルキーブラウンのミディアムショ ートの 彼女は上から下までブラン

ド品で固めていた。甘ったるい声

で、可愛い系、


「何処ぞの、お嬢様か?」


キャバ嬢の後は、お嬢様?

本当に付き合い多い陽和は首を捻る。


「あ〜もう救いようが無いワ。」

陽和は呆れて、時間を置いて

出直す事にした。


三十分して部屋へ向かうと、

まだ彼女はいた。

慶一道とベッドに座っていた。

ミルキーブラウンの髪が少し乱れ

ワンピースも捲れ上がっていた。

陽和は軽く

コンコンと、ノックをして

ドアをバアアアンと開けた。


「だれ?失礼じゃない。」


パッと離れる慶一道に向かい

陽和は、薄ら笑いを浮かべ

「あ、お構いなく!」と言った。


慶一道は慌てながら言い訳をする。


「違うよ、結衣が勝手にベッドに入っ てきた んだよ。何もしてないし、

病院だしさすがに出来ないよ。」


》デスカ



「ずーいぶん、病院でも

イチャコラしてるように

見えますけど、夕食の前に

彼女を食べる気じゃなかったの?

お邪魔‼様‼ ごゅっくりー💢。

もう、知らないっ💢💢」










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