track4 誰か、僕らの季節をとめてください
季節外れの桜の花びら
吹きすさぶ春一番に乗せて
僕らの前を通り過ぎていった
二人で見上げた空は
真っ青に澄んでいて
そして君は泣いていたんだ
季節は移ろいゆくけれど
君と過ごしたそのひとつひとつが
アルバムにしまわれた写真のように
大切に一枚一枚めくられて
僕の心を温めてくれる
一生を終えて落ちた蝉
赤く燃えて散っていく紅葉
君にさよならを言う冬
僕らいつか訪れる終わりを知っているから
仲良くなれたのかもしれない
そう言って僕ら笑いあった
誰か僕らの季節をとめてください
僕ら二人をアルバムの中の写真に
しまいこんでください
また会えるかなって言葉ごと
僕らを遠い時の彼方へ閉じ込めてください
僕を孤独の世界から救い出してくれた
優しい記憶ごと
君を抱きしめていたいから
夏の夜空に咲いた花びら
もの悲しい祭囃子に乗せて
僕らを幼いあの日へと変えていく
二人で過ごした夜が
明けたら手の温もりも
水面に消える泡沫の夢だ
月下美人が咲いている
夏の終わりが近づいてくる
この花に愛を誓ってしまった僕たちのように
ページが一枚一枚めくられて
いつかは冬がやってくる
学生服の僕ら
分かれ道で立ち止まった時が
急に手を繋ぎたくなるんだ
僕らいつか訪れる終わりを知っているから
離れたくないのかもしれない
そう言って僕ら見つめあった
誰か僕らの季節をとめてください
僕ら二人を夜と朝の狭間に
連れて行ってください
愛してるって言葉ごと
僕らを遠い時の彼方へ閉じ込めてください
君となんでもないことで笑いあえた
美しい記憶ごと
君を抱きしめていたいから
季節は移ろいゆくけれど
君とした約束は変わらない
あの日の影法師
またね。またね、って約束
いつまでも信じてるから
また会えるかな
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この歌詞は、僕が浸った作品『時の魔術師(原作 : 風梨凛氏)』へ贈る情熱ファンアートです。
笹原が感じているであろう孤独を書きたかった。
そして、笹原が最後に残した桜の花は、きっとさよならを知っている彼が最後に残した「またね」の約束なんじゃないかと思って書きました。
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