脈打つ命

とくとくと、肌が脈打つ

違う、脈打っているのは心臓で血管で

肌に透けた青白いそれが絶えず身体の中で波打っているのだ

生きているっていうのはこんなに苦しいのに

身体は私の意思を無視して動いている

生ぬるい36.5度

不随意筋の心臓から赤い赤い色をした血が絶えず

身体中に酸素を送って

肺が肋骨を押し上げる

首を触るのが好きだね、とその人は言った

そうだね、とあの時私は答えた

本当は気持ち悪いと思っていた

違うけれど紛れもなく同じ質感の肌を、

少しだけ高い体温を、

同じで違うそれを、

私は確かめるように触っていたのだ

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