夜の話

水は夜に、水飴のように粘度を増す。

彼らは放っておくと好き勝手に動き出すので手足を縛って置かなければならない。

ハンガーに吊るされ手足を縛られたそれは時折痙攣をしてまた静かになる。

ハンガーの下には、バケツが据え置かれている。

そうでなくては朝に床が水浸しになってしまうからだ。

朝が来ればそれらはまたあの流動体へと戻るのだがその様子を見た人はいないという。

だから人々は不思議に思いながらも、そういった存在であると、

取りあえずのところ受け入れている。

水、とは水飴であり人によく似たそれであるのだ。

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