祖母と訃報
未だに忘れられないことがある
何年前だったかも曖昧だけれど
あの人の訃報を私は携帯電話越しに
父から告げられた
その人は父の母親であり、つまりは私の祖母であった人だった
私は電話口で思わず笑った
あまりにも呆気なく終わりが来たことに
ばつん、と強引に消されたテープのように
そうやって人が死ぬのだと私は知らなかった
そして私は呆けたまま実家に帰る日程を決め
昏くなった画面を見下ろしてまた嗤った
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