「消しゴムスタンプ」

「手を切らないように気をつけて下さいね」


 なんとなく、思い立ったので消しゴムスタンプを作ることにした。とりあえずやりたいと言った彼女も参加したのだが正直彫刻刀で指を切る未来しか見えない。


「ふん、妾を誰と心得て痛っ!?」

「ほらもう! 言ったでしょう!」


 呆れ半分に彫刻刀に傷つけられた彼女の指をぱくんとくわえて、ポケットからハンカチをとりだす。それで指の根本を縛り口を離して彼女を見ると。衝撃が左頬を襲った。

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