「蕗味噌」

「たくさん頂いちゃいましたし、同期へのお裾分けも終わってますし……あとは」

「何をしておるか家畜」

「わ! ……気配消すの本当にやめて下さいよ」

「ふん。ん? 蕗味噌ふきみそではないか。今夜の酒の肴はこれか?」

「あ、はい」


 そうだ。まだいっぱいあってどうしようかと悩んでいたが、居たじゃないか。ここに大酒飲みのウワバミが。

 さっと私の手から蕗味噌のはいった器をとった彼女は、上機嫌に縁側へと向かう。私はその背を追いかけた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る