「食器」

 あれは彼女と付き合い始めて間もなく。


「おぉ、妾のために食器を揃えておるとは」

「いえ、それズィークのです」


 とりあえず違うことを説明したのだが


「元彼のものではあるまいな?」


 と彼女に数日睨まれたため雑貨屋に彼女の食器を買いに来た。が


「家畜よ、これがよいぞ」

「え、まじですか」


 金とか豹柄とか果ては紫色でなければ嫌だ、妾は高貴なのだと言い散らかす彼女に。


「料理が美味しく見えませんよ」


 と言うと、すごすご戻した。

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