「黄金の指輪」

「家畜、これを貴様にくれてやろう」


 そう言って彼女が神域庫から取り出したのは金色の指輪だった。


「はぁ、ありがとうご重っ!?」


 普通の指輪にしか見えないのに、何故かダンベル程の重さのある金色。目を白黒させる私に、彼女は胸を張る。


「黄金を圧縮したものよな。人間でいう金の延棒15本分の価値」

「お返しします」

「何だと! 妾の気に入りが受け取れぬと申すか!」

「私はこれよりキス1つの方が嬉しいです」


 彼女は撃沈した。

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