もふもふっ!
動かされている点P
プロローグ
「おきつねさまおきつねさま。どうかおかあさんにあわせてください。」
少女がこの小さな神社に毎日通うようになって1週間、毎日同じお願いをしている。
「きょうはね、がっこうおやすみだからおうちにかえるじかんまでいてもいい?」
宮司は笑顔でいいよ、といった。それに対し少女は目に涙をうかべながらありがとうと答え、吽像白狐の横に座り込んだ。そうして1時間ほどたった頃、うとうとしてきた少女に粗方の雑務を終えた宮司がそっと寄り添い話しかける。
「あかりちゃん。うちで一緒に暮らさないかい?あかりちゃんが良ければうちは大歓迎なんだ。こんなにこの神社に足を運んでくれる女の子は君しかいない。うちの妻も喜ぶ。どうかな?施設の方にはもう許可をもらっているよ。あかりちゃん次第なんだ。」
「おじさん、ほんと!?わたしね、ずっとじんじゃにすみたかったの!ここにはおかあさんがいるきがしてたの。でも、めいわくかなって。ほんとうにすんでもいいの!?」
「もちろんだよ。じゃあ今日は帰って、明日手続きをしようね。お狐さまに会えるかもしれないよ。」
少女はよく笑う。泣きそうな顔をしているのによく笑う。今日の笑顔は今までで1番だった。宮司は少女を施設まで送り、少女を養子にするための手続きを進めた。
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