不運な俺が異世界に行ったら意外と最強?だったりして

mohuru

第1話 不運な俺、異世界へ

俺は中沢綾斗なかざわあやと、今年から高校生になる。

そんな俺には生まれつきの力があった。

俺はそれを「不幸アンラッキー」とよんでいる。

この能力は、自分以外にはなんの害もない。

しかし、本当は相手にも降りかかるはずの不幸が全て自分に跳ね返ってくるのである。


そのため、一歳のときには大きな鷲に連れて行かれそうになったり、

五歳のときに海に行ったらサメに襲われるし、

十歳のときなんかは当時有名だった殺人犯に誘拐されたりと、なかなか自分でもよく生き残れたと思う。


ちなみにこの高校も自分が受検したうちの滑り止めの学校だ。本当は頭はそこそこ良いのだが、この能力のせいで本命の学校に落ちてしまった。

けど、今日を境にいい加減こんな自分を変えるんだ。そして、今度こそ普通の青春を送るんだ!そう心に決意した。


そして他の生徒の集団と一緒に校門をまたいだその時、

「ブォン」という音と共に、まるで魔法陣のような模様をした光が足元に現れた。

俺は状況がつかめず呆然としていた。周りの生徒達には見えないのか、なんの反応もない。

すると、魔法陣の光が急に強くなり始めた。

俺は少しずつ気が遠くなっているのを感じながら気絶してしまった。


(あぁ、俺ってなんでこんなに不幸なんだ。)


....どれくらい時間が立ったんだろうか?


少しずつ意識がはっきりしてきた。

目が覚めるとそこには高級そうな赤いカーぺットが広がっていた。


(まずは周りを確認しないと。)


そう思った俺は周りを確認した。

左右には甲冑を着た兵士たちが片手に槍を持ち何列かに分かれて並んでいる。

そして、中央には玉座があり、そこにはいかにも王様って人が礼儀正しく座っていた。


(あー、俺の青春わずか数秒で終了のお知らせ。(泣))


「ようこそおいでくださった、勇者様!」と王様が言うと、その一言で俺は理解した。


(あ、これは嫌な予感しかしない。)


どうやら俺は漫画や小説のように、勇者の一人として異世界召喚されてしまったらしい。


(嫌だーーー!!(泣))

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