昨日よりステップアップ

「ヨウ!朝だ。」

「うーん…おはよー」


朝はツクヤに起こされて始まる。

図書館での暮らしもそろそろ一週間は経とうとしている。

明日にはロッジに向けて出発できるかなー?


「どうしたの?そんな張り切って…」

「ああ、今日は特訓をしようと思ってだな…」


特訓?何するんだろうかぁ…?


「よし、さっそく外へ出るぞ…カードケース持って外に出てきてくれ。」

「あーうん、わかった…」


まだめっちゃ眠いんだけど…

それにまだ何も食べてないし…


〜外〜


外に出ると、地面に絵を描いて遊んでいるスナネコとコインを空中に投げては取ってを繰り返してるツチノコがいた。


「ふんふふんふ〜ん♪あっ、ヨウ…おはようです。」

「遅かったな、オレたちは一時間くらい前から居たぞ。」

「あれ?ナミちーは?」

「博士たちの調査を手伝いに行きましたよー。」


僕がボーッと立ってると、ツクヤが大きなパンを手渡してきた。


「よしヨウ、朝食だ。」

「ん?なんでパン?」

「昔から外での活動で食べるものといえばパンと決まっているからだ。」

「なんでぇ!?」


困惑しながらも、そのデカイパンをもぐもぐと食べた。


「ねえこれ水とかない…!?」

「水か、ちょっと待っててくれ…」


水が無いから口の中が『モッモッモッ…』って感じになる…

ツクヤは図書館までダッシュで水を取りに行くと、さらに勢いよくダッシュして戻ってきた。


「ヨウ、水だ。」

「モガモガモガ…(ありがとうツクヤ)」

「口に物入れて話すなよ…?」

「ゴクゴクゴク…ごめーん!」


ぷっはぁ助かった…

そういえばスナネコたちは大丈夫かな?


「もぐもぐもぐ」

「大丈夫そうか…?喉詰まらせるなよ…?」


スナネコはひたすらパンをもぐもぐしていて、ツチノコはそれを心配そうに見ていた。


「それにしてもこのパン、結構食べてると力が湧くね。」

「ああ、一つ食べれば四時間は動けるからな。」

「どんだけ栄養あるのこれ…!?」


〜食べ終えて〜


「げふ…」

「よし、パン一個食べたから四時間は出来るな?」

「うっへぇ…」


四時間は流石に無理でしょおおお…

冗談キツイよツクヤさーん!?


「ははっ、冗談だ。いい顔頂きましたってな…」

「っはっははは!!ちょっ、やめてよー!!…ゲホッゴホッ」


もう、そういう冗談って逆に笑えるよ。

笑いすぎると食べたものが戻ってきそうだけど…


「昼はもう少し美味しいものを用意するつもりだ、安心してくれ。」

「ああ良かった…」

「それじゃあ早速始めるか、みんな集まってくれ。」


ツクヤの合図でみんなが図書館前の広場の中心に集まってきた。


「よし集まったな。」

「とっくんって何をするのですかぁ?」

「そうだな、まずはヨウの能力を調べるところから…」


僕の能力かぁ、あの能力サンドスター・リアライズの事かな?


「ヨウ、お前がサンドスター・リアライズでどれほどの範囲のカードの力を具現化できるか調べようと思ってな。

ちょっと手に持ってるそれカードケースを貸してくれないか?」

「これ?いいよ、はいどーぞ!」


ツクヤは僕からカードケースを貰うと、いくつかのカードを出して言った。


「これとこれと…あとこういうカード、具現化できるか?」

「これ?」


僕が最初に渡されたのは、火の玉を出して相手にダメージを与えるカードだった。


「よし、やってみる!えーいっ!!」


『ボオッ…』


しかし出てきたのはマッチの火よりも弱いんじゃないかくらいの火だった。


「ああ…ダメか…」

「ダメだった…」

「次はこれを頼む。」


次に渡されたのは雷のカード。

腕っぷしじゃ倒せないカードでもやっつけられる強いカードだ。


「わかった、えーい!!」


『バチッ…』


やっぱり出てきたのは静電気にも及ばないくらいの電気だった。


「ダメだぁぁぁぁ!!」

「ああ…よし、これはどうだ?」


その次に渡されたのは復活のカード、やられた自分のモンスターを呼び戻すものだ。


「じゃあ…あの枯れ木に向かってやってみてくれ。」

「よーし行くよ、やあああ!!」


『シーン…』


しかし なにも おきなかった!▼


「ナアァァァァ!!ダメかぁ!!」

「あーダメか、よし最後にこれだ。」


最後に渡されたのはモンスターのカード、ゲームでは一番重要なカードだよ。


「じゃあこれにしよう、えーい!」


黒いドラゴンのカードを構えて思いっきり力を込めると…


『ギャーーオ!!』


よし出たぁ!!

…んだけどぉ…


「えっなにこれ。」

「これトカゲか?それともイモリか?」

「ギャー!ギャー!」


出てきたのはネズミより小さいんじゃないかというくらい小さなドラゴンだった。

しかも…


『サーーッ…』


「消えた…」

「3秒くらいしか持たなかったな…」


出てきてわずか3秒で消えちゃった。

ダーメだこりゃ…


「まあ…サンドスター・リアライズのテストはこれくらいにしておくか…」


『ヨウ…おい、ヨウ…?』


とツクヤが話している途中だったけど、僕はどこからか聞こえる声の方に気が行っていた。


「誰ー?」

『私だ、お前が首から下げているそれお守りから話しかけている…』

「ああ、お守り!久しぶり…」


声の正体はお守りだった。

もしかしたら何か助言してくれるのかも…?


『お前が強力なカードを使えないのは何故か分かるか…?』

「サンドスターが足りない…から?」

『まあ、それもあるが…お前に足りないのは経験だ。』


経験…?

つまりはどういう事なんだろう?


『わかりやすく言えば、お前があのカードたちを具現化して使うにはまだレベルが足りないって事だ。』

「レベル…たしかに強いキャラでもいきなり強い技は使えないから…そういう事か!」

『まあ、そうだな…そういう事だ。』


なるほどー、じゃあやっぱり特訓は必要って事かな。

って考えているとツクヤが話しかけてきた。


「どうしたヨウ?急に一人で喋って…考え事か?」

「んぇっ!?」


あれ?もしかしてお守りの声って僕以外には聴こえてないのかな?


「あー、どうやったらこれ使えるのかなーって…」

「ああ!なるほどな…」

「でね、レベルアップすればいつか使えるようになるかもって考えてた。」


聴こえてないとしたら、お守りが言っていたことは僕が伝えるしかないね!


「そうか、なら早速特訓をするしかないな…二人とも待たせてすまなかった、始めるぞ。」

「はぁい。」「わかった。」


スナネコとツチノコが呼びかけに応じてこっちに来た。


「で、特訓って何するの?」

「いい質問だ…フレンズとフレンズの能力対決、その名も『ちからくらべ』だ!」

「ちからくらべ?」

「ああ!フレンズ同士で戦って腕を競う、昔のジャパリパークにいたフレンズがやっていた遊び…らしい。」


えー、フレンズ同士で戦うの?

それって危なくない?


「大丈夫なのそれ!?怪我するよ…?」

「それなら心配ない、『コレ』があるからな。よし、来いラッキー。」


ツクヤはラッキーを呼ぶと、ラッキーに向かって指示をした。


「ちからくらべモードに切り替えてくれ、頼んだぞ。」

「わかったヨ、ちからくらべモードに移行…」


ラッキーがピコピコ音を鳴らすと、どこからともなく他のラッキーが出てきた。

そして、僕たちの周りを囲むと…


「うおっ!?なにこれ?」

「バリアだ。これがあれば安全に戦うことができる。ちからくらべではこのバリアが割れたらリタイアだ。」


うおぉ…科学の力ってすごーい…


「じゃあまず二つのチームに分かれよう、スナネコはヨウと組むか?」

「はい、そうしますね〜」

「じゃあオレがツクヤと組めばいいんだな?」


という事なので、ちからくらべは

僕&スナネコ対ツクヤ&ツチノコの試合になった。


「お互い、頑張ろうね!」

「ああ…全力で行かせてもらう!!」

「それじゃあ始めるヨ…バトル開始かいシー!!」


『〜♪(ちからくらべBGM)』


ラッキーが合図をすると、ラッキー4体の体から軽快な音楽が流れ始めた。

周りを囲っているから結構な立体音響だよ。


『ヒュンッ!!』


…と音楽を聞いていると突然ツクヤから剣で攻撃された。


「ちょっ…まだ心の準備が…」

「どうした、セルリアンはこっちの都合を考えてなんてくれないぞ!」


かなり厳しい指導だぁ…

でも、これくらい厳しいとかなりレベルアップできるんじゃないかな?

ふふふ、いわゆるポジティブシンキングだね!


「よそ見するな、オラァ!!」

「うおおおっ!?」


ツチノコの強烈なキックも飛んできた。

バリア無かったら首の骨が折れそう…


「よーし!やるぞ!!」


僕も、お守りが選んだカードから武器を具現化?してちからくらべに参加した。

今度の武器はワイルドなブーメランだ!


「おしっ、飛んでけー!!」


ブーメランはクルクルと回るとツチノコに向かって飛んで行った。


「うおっヨウもなかなかやる気だな!?」


そしてブーメランはバリアにダメージを与えるとクルクルと戻ってきた。


「今度はそっちだぁ!!」


今度はジャンプして空中で投げた。


「流石だと言いたいが…甘いぞヨウ!!」


だけどツクヤは剣でブーメランを弾き飛ばしてしまった!


「うわぁ戻ってきた!?」


そして戻ってきたブーメランは僕のバリアにダメージを与えた…

バリアの外に手を出さないと自分の武器でもダメージを受けるんだね…


「うーんビックリした…よし今度は何が出るかな?」


次に選ばれたのは初めてのセルリアン戦でも使った大剣だった。


「うおっ、重い重い…」


僕は重い大剣を振り回してツクヤに向かって行った。

だけど…


「おっと、お前の相手はオレだ!!」

「ツチノコぉ!?ちょっとどいてくれないかーい!?」

「断ーる!!」


そしてもう一度強烈なキックが飛んできた。


「うおっと!?」

「ヨウ!?すごい身のこなしだな…」


とっさに大剣を離して、ツチノコの攻撃を避けようとした。

あまりにもとっさの出来事で何が起こったか僕にもわからないけど、気がする。


「流石だな、まさかバク転で回避するとは…」

「バッ…バク転!?」


無意識のうちにそんな事してたなんて…

これが野生の本能って奴なのかな?


「と…とにかく僕はツクヤと戦いに行きたいから道を開けるんだァァァァ!!」

「そうはさせるかァァァァ!!」


またツチノコのキックが飛んで…来…


「二人とも、ボクをお忘れですかぁ?」


なかった!!

スナネコはツチノコの脚を掴むと、猫の特技である引っ掻きでバリアを削った。


「来たかスナネコ、たとえお前でも特訓は特訓だぁ!」

「よっと…やりますねぇ…」


スナネコはツチノコのキックをいなしながらカクジツにバリアを削りに行った。


「ヨウ、よそ見をしていて良いのかッ!?」

「うおっと危ない…えいや!」


ツクヤも遠慮ない攻撃で僕を追い詰めるけど、僕だって負けていられない!

僕もかなり必至に応戦していた。


「やっ!うおりゃあ!!」

「うっ…たぁ!そろそろマズイですね…」


後ろを見るとスナネコがピンチだった…

すぐに助けに行かなくちゃ…!!


「スナネコ!!」

「あっ、ヨウ…んん?おっ?」


突然、スナネコの様子が変わったと思ったら…


『バシュウウゥゥゥゥゥン!!』

「おおー、力が湧いてきますねー」


スナネコがどこかのバトル漫画で見るようなオーラのようなものに包まれて…

スナネコの周りにのようなものが作られていった…


「これは…砂団子ですかぁ?」

「な…なんだァァァァ!?」

「あっ!こうですね!」


そしてスナネコは、その砂団子をツチノコのバリアに向かってポカポカと投げ始めた。


「うっ!?ア"ア"ァァァァ!!!!」


『エ ン ジ ェ ル

砂 遊 び 』


そしてツチノコのバリアはバリバリーンと音を立てて壊れた。


「あー、オレの負けかぁ…」

「バリアが無くなったからツチノコはリタイアだ。」


そしてスナネコのバリアも力尽きたように崩れていった。

多分、ツチノコの攻撃を地味にくらったせいでバリアも限界だったんだね。


「あっ…ボクのも無くなっちゃいました。」

「相討ちか、スナネコもリタイアだな。」


あっ、いけない…ちょっと聞きたいことが。


「ちょっとストップ…一つ聞きたい事が…」

「なんだ?」

「スナネコがさっきやったのは何かわかる?」

「ああ、アレは『けものミラクル』だ。」


けものミラクル?

必殺技的な奴かな?


「サンドスターの力を解放して放つ必殺技…だな。物理法則を超えた技ばかりのようだぞ…

これは一部のフレンズが使う事ができるらしい。」


ほほー、なるほど…僕も使えるのかなーなんて…


「これは野生解放にも似ていて…おっと、まだヨウに野生解放について教えてなかったな。」


野生…解放?

ツクヤと話していると知らない言葉がポンポン出てきて面白いよホント…


「野生解放は全てのフレンズが使う事が出来るな、自分の中に眠る動物の部分を最大限に発揮するんだ。

こんな風に…なッ!!」


ツクヤが力を入れると、何もなかった頭からはオオカミの耳が生えてきた。

そして、フサフサの尻尾も出てきた。


「す…すごい!!僕も出来るかな?」

「どうだろうな…これは自分にどんな能力があるか自覚している事が重要だから…」


なるほどー…僕にはまだ出来ないのかな?


「ところでヨウ、今はちからくらべの途中だぞ?」

「あっヤバ…」


僕が「い」まで言わないうちに、ツクヤは野生解放したまま突っ込んできた。


「ぐっ…」

「どうするヨウ、俺は野生解放して肉弾戦で挑むが…」


その質問に、僕はツクヤの腕を弾いた後答える。


「僕も…自分の腕で戦う!!」


僕だって、何度か記憶に出てきた『赤毛の先生』に教わったバトルスタイルがあるはず!

思い出せ僕ゥゥ!!


「やっ!ほっ…うおりゃッ!!」

「おっと…お前もイヌ科のフレンズみたいな戦い方をするようだな。」

「記憶の底から引っ張ってきた…先生直伝のバトルスタイルだよ!」


ツクヤは僕の攻撃を受けながらも一切のスキも作らずに、シュッと反撃してくる。


「どうした、疲れてきたなら今すぐに休んでも良いんだぞ?」

「いーやまだまだぁ!!」


優しさとも煽りとも取れるそのセリフを気合で返し、僕は攻撃を続けた。


「熱いな、だが…」ズバババッ

「うおっ、速い!?」


ツクヤは、ものすごく速いスピードで連続パンチを繰り出して来た。

オオカミの連続パンチ…図書館の漫画で見たような気がする!


「ふふっ、よく頑張ったがそろそろ限界のようだな。であぁ!!」


ツクヤの全力のストレートがヒット…しなかった。

この時、僕は夢中で避けていたんだけど…


「ヨウ!?いつのまに後ろに!?」

「なんかダメ元で避けてたらここまで来たんだよー!!」


よくわからないけど、後ろに回り込めたという事で…僕の全力を込めたヨウ君パーンチ!(ネーミングセンス無し)


「なっ…すごいなヨウ、強くなったんじゃ中か?」


ツクヤのバリアがボロボロと崩れていく…

ってことは…?


「僕…勝ったの…?」

「ああ、お前の勝ちだ。なぜ負けたか明日までに考えておかなくちゃな…」


ラッキーたちからも、勝ちをお祝いするかのように音楽が流れている。


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

その頃、ヨウたちのちからくらべを影から見ている者がいた。

またいつものアイツ…


「うおお…あは…あはぁ〜…カッコえ…」


…ではなかった。


「あの白っぽい金髪の子の動き…うん、決めた…!!」


メガネをかけたネコ科のフレンズ、PPPマネージャーでお馴染みのマーゲイだ。


「一旦帰ってPPPの皆さんに報告っと…」


そしてマーゲイは水辺地方の方に引き返していった。

➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


ちからくらべも終わって、僕たちは昼ごはんにしていた。

昼ごはんに出てきたのは、ピザの味がするジャパリまんだった。


「ほおー、これがピザの味…」

「いつか本物のピザをスナネコたちに作ってあげたいなぁ。」

「ふふふっ、ヨウにできるのですかぁー?」

「でっ…出来るよ!」


相変わらずの僕イジリ、嫌いじゃないわって奴だねぇ…へへ…


「よし、食べ終わったら別のを始めるぞ。」

「うへー…」


〜そして食べ終わり〜


「食べ終わったか?じゃあこれを持って図書館の周りを5周してくれ。」


と言ってツクヤが持ってきたのは、水が入った瓶が入った箱だった。


「ちなみに一本でも割ったら…いややっぱり可哀想だからやめよう。」

「やめるのかよ…」


やめるんかい!?

ツチノコもちょっと驚いてる…?


「それじゃあ位置について…」

「じ…地味に重い…」


これ持って5周…?

キツそー…


「用意…スタート!」

「うおおおおおおお!!」


〜1周目〜

「わっせ…わっせ…わっせ…」

「大丈夫か、ゆっくりで構わないからな。」


ツクヤに優しい言葉をかけられながら一周目クリア…


〜二周目〜

「わっせ……わっせ……わっせ…」

「ヨウ〜、ボクも応援してますよ〜」


スナネコの手拍子での応援を受けながら…二周目クリア!


〜三周目〜

「わっせ…わっせ…」

「だっ…大丈夫か?休み休みでやれよ…?」

「あ…ありがと…」


ツチノコに心配されながらも三周目〜…


〜四周目〜

「○!※□◇#△…」

「大丈夫かヨウ、俺のせいか…?」

「もはや言葉すら失ってますね〜…」

「コレそんなにキツいのか…?」


言葉にならない叫びを上げながらも…四周…目…


〜五周目〜

「よっしゃゴールだぁああああ!!」

「急に元気になった…」


最後の全力を振り絞り…五周目…クリア!!


「ヨウ、お疲れ様です〜」

「頑張ったな、流石ヨウだ。」

「ありがと…二人とも…」


トレーニングはかなり時間がかかったみたいで、あれからもう日が暮れようとしていた。


「すまなかったヨウ…俺が瓶の調整を誤ったばっかりに…」

「いいっていいって〜!お陰で…ちょっと強くなった気がするし!」


ツクヤのトレーニングのおかげでレベルアップ出来たんじゃないかな?

本当にありがたいよ…







〜そして次の日〜

「いっ…たたた脚脚アシアシアシ…」


あれだけ戦ったり走ったりしたせいか、ものすごい筋肉痛になった。


「ヨウ…動けますかぁ…?」

「大丈夫かヨウ!?ツクヤァ!!なんとかしてくれ!」

「そりゃ筋肉痛にもなるよ、めちゃ頑張ってたんでしょ?」


不安そうに僕を見るスナネコ、ものすごい勢いでテンパるツチノコ…そしてこんな状況でも褒めてくれているナミちー…


「ほっ…ほら、これ飲んでくれ…」


ツクヤは焦りながら僕に瓶のようなものをくれた。


「なに…これ…」

「アニマラムネだ、体内のサンドスターを活性化させる事ができる。飲めるか?」

「だい…じょうぶ…」


ツクヤから受け取ったアニマラムネ?をゴクゴク飲んだ…すると…


「んん、おおっ?おー!動ける!」

「やっぱりな、ヨウは修復能力が優れているみたいだからな…」


全身から痛みがスーッと抜けていく感じ…すごい…!!

さすがフレンズドクター、ツクヤ先生さまさまでござんす。


「心配しましたよ〜」

「タフだよなお前は…」

「ねえねえ私の分は?」「すまんが…ない。」


いやー、心配かけて申し訳ないねー…

でももう大丈夫だよ!


「治って良かったなヨウ…」

「ツクヤのおかげだよ、ありがとう!」







〜朝ごはん後〜


朝ごはんを食べた後、ナミちーが僕にこう言った。


「そういえば調査行く途中で見てきたけど、今日か明日ならゆきやまも大人しそうだよ!」

「そうか、なら今からロッジを目指して出発した方が良さそうだな。」

「ちょうど一週間は立つからね!」


という事で、僕たちは博士たちに話をした。


「そうですか…まあ、止めはしないのです。」

「フレンズたちの自由を奪うのは長のする事ではないのです。」


話をしたら割とすんなりとOKしてくれた。

そういう事で用意した荷物をスタッフカーに積み込んで、出発の準備をする事にした。


「知ってますかヨウ、ゆきやまにはおんせんがあるらしいですよー」

「へえ!楽しみだなぁ…」


そうスナネコと話していると、ツクヤが何かに気がついたように遠くを見ていた。


「ん?あれは…」

「んー?あら、誰だろう…?」


ツクヤの見ている方を見てみると、メガネをかけたフレンズがこちらを見ていた。


「おお、マーゲイじゃないか。どうしたんだ?」

「こんにちはツクヤさん…そしてあなた!」

「んん?」


マーゲイさんは僕に用事があるみたいだった。


「昨日の戦い…見ていました!」

「おー、ありがとう!カッコ良かったかな?なんちゃってへへ…」

「あなた…ステージの上でアクションしてみない?」


アクション???


〜次回に続く〜

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