区切り詩(Breaked poem)

奏熊ととと

面相詩(facespoem)

熱はかり

【風邪を引いた少年】

何回目だろうか、病弱な子でごめんなさい

「大丈夫?」の声の奥にある「頑張らなくちゃ」が

風邪を引く度に枷となる母さんの気持ちに

仕事が上手くいったんだって聞いたよ

この前連れてきた男の人が教えてくれた

あの人だったらいいな

あしたパパになるのは怖いけど

まだまだ独り占めしていたいな


【風邪を引かれた母】

何回目だろうか、気づかない私でごめんなさい

「大丈夫」の声の奥にある「気にしないで」が

風邪を引く度に壁を作ってしまう形に

運動会1位だったんだって聞いたよ

この前連れてきたあの人が教えてくれたわ

あの人は娘がいるの

あなたが元気になるのは嬉しいけど

まだまだ二人で頑張らなくちゃ


【熱はかり計】

23回僕は使われ、今日で5回目の風邪だね

もう何回目の「大丈夫」だろうか

風邪を引く度に彼らは浸るね悲しみに

この前36.3度の熱を計らされたんだよ

僕を無駄遣いしたあの男は誰だい?

あの時は本当に困ったよ

あしたの君が熱が下がるといいね

まだまだ僕が独り立ちすることはないだろう

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