【絶対!】読者を増やすことができる小説  #絶対小説 #小説家さんと繋がりたい #RTした人が小説を読みにいく #カクヨムオンリー #カクヨムロイヤルティプログラム #絶対に真似しないでください

柳人人人(やなぎ・ひとみ)

1.レビューを増やせる方法と読者を増やせる方法

「絶対にレビューを増やせる方法?」


 その言葉に、彼女は持ち前のくりんっとした瞳をさらに丸くする。


「いつも利用しているサイトが収益化するらしくてね。僕がネット小説を書いてることは前に言っただろ?」

「うん、もちろん覚えてるよ。四年ほど前から『柳の人やなぎのひと』ってペンネームで活動してるんだよね?」

「そう。でも、実は伸び悩んでて。自分だけじゃ限界を感じちゃってさ……」


 カクヨムに登録してから三年余り、僕は絶賛迷走中スランプだった。

 これといった成果もなければ次へつながる指針も掴めないまま、時間を浪費している感覚だけが浮き彫りとなる。そろそろ潮時かもと思っていた矢先のことだ。


 画期的な方法、『絶対に読者とレビューを増やせる方法』を閃いたのだった。


「でもさ、その画期的な方法……って本当に絶対なの? だれかにたくさん読まれたいのは全作家の悲願なのは分かるけど、絶対って100%だよ? 100人中100人がレビュー書いてくれるってことだよ? 本当に友達100人できるの?」

「もちろん、うまくやれば100%の方法だよ。友達100人とはいかないだろうけどね」

「うわっ、すごい詐欺っぽい言い回し……そんな胡散臭い方法じゃなくても色々あるんじゃないの?」

「例えば?」


 彼女はわざとらしく顎に手を添えて考えこむ。


「んー、オーソドックスにSNSで宣伝とか?」

「SNSはそんなに効果ないんだよね。閉じた交流ならともかく、世間は書籍化されてないネット小説に興味を示してくれない。もしバズったりして、そのコンテンツツリーにぶら下げられるような何かしらのブランディングがあるなら話は別だけどね」

「単純な宣伝だとそうだけど、絵を描くとかで目立つようにするのはどう? ロゴとか作って表紙風デザインにしたり、作品のワンシーンを漫画にしたりしてあるとキャッチーだよね!」

「そこまでやり始めると小説の更新が遅くなる。最悪、更新が止まるよ。マジで」

「あー、そこが疎かになっちゃったら本末転倒かぁ。あ、でも、今なら豊富なキャラメイカーで自作のキャラを見繕えるんじゃない?」

「やりようによっては悪い手じゃないよ。既視感テンプレートに押しこまれてる雰囲気をどうにか払拭できるならだけど」

「なら、ハッシュタグを活用するのは? もし『絶対にレビューを増やせる方法』みたいな小説があるなら、例えば『#絶対小説』みたい感じで略称のハッシュタグをタイトルに付けると、読者の反応がまとめられてるから新規読者も読むかどうか判断しやすいんじゃない?」

「それは作者がエゴサーチするための方法だから、あまり周知されてないんだよね。読者も活用すればいいのにとは思うけど」

「あっ、タグと言えば『#RTした人の小説を読みに行く』とか『#小説家さんと繋がりたい』のタグを見かけたことも……」

「アレは効果ないよ。読者を増やすという観点で言えばだけど、そういうためのタグじゃないし」

「一つの宣伝効果が微量でも、たくさんタグ付ければ……!」

「デザインの観点から言わせてもらうと、悪手だね。これはデザインの鉄則みたいなものなんだけど『要素が多ければ多いほど見た人は混乱する。脊髄が拒絶するのはダメなデザインの典型』。これと同じことが起きるよ」

「うーん、どれも含蓄ある言葉……まるで実体験に基づいるみたいだぁ」


 たった三年間、されど三年間。SNSでの交友を重ね、幾度となく宣伝もしてきたし、キャッチコピーの勉強だってやった。もちろん、文法や小説の書き方、ネットならではの技術にも研鑽を重ねてきた。『柳の人』は本当にいろいろやってきたと我ながら思う。


「そこまで言うからには、その画期的な『絶対に読者とレビューを増やせる方法』に興味が湧いてきたよ。今までの案を越える方法なんだよね!」


 キラキラと輝かせた目で見つめてくる。「お膳立てにわざとハードルを上げておいたよ」と言わんばかりだった。

 あまり引き延ばしてもさらにハードルを高くなっていくだけなので、僕は観念して言うことにした。

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