第5話 告白の理由
俺は今、二人と一緒に弁当を食べている。
「「で?、この子は誰なの?」」
二人同時に同じ質問をしてくる。
「告白してきやがった人です」
正直に嫌々答える。
「返事はしたの?」
「そうです!どうしたの!」
迫りながら聞いてくる。
「小苗さんは友達からということになってしまった。冷涼からは告白を受けていない」
そう、告白しようとしたとこまでだから正確には告白していない。
つまり他人以上友達未満というわけだ。
そんなせこい考えをしていたのだが、冷涼が話す。
「じゃあさ、私も友達からでいいから……べ別にあんたと友達になりたいわけじゃないんだからね!、私は恋人になりたいだけで……じゃなくて!」
心の声がだだ漏れ、しかも自分で言った言葉で悶だすツンデレこと冷涼だった。
「分かったよ!、俺のひねくれっぷりを見ても、
言い分を聞いても意志が変わらないんだったら好きにしろよ!」
(恋愛をしたくないのに、この二人に何を言っても面倒になるだけだ。
友達でとどまらせて終わらせてやろう)
そんな最低な考えをしている真だが、ふと質問したいことを思い出す。
「そういえばだが、お前らは何で俺のことが好きなんだ?」
それはと話そうとしてくれているので、待つ。
「………実は私、あなたが中学のとき一緒の学校だったの」
その時俺はトラウマのスイッチが入ってしまい、沈黙する。
「その時君が、いつの日か流れ飛んできたサッカーボールを通ってきたあなたが自然に顔面でボールを受けた。
あの時私を助けるためにわざとボールを受けてくれたんでしょう?」
(良かった中1の時のことか、それは覚えているよ。
わざとではなくたまたまボールが当たって倒れたことをな!)
とんだ勘違い野郎の小苗さんだった。
「で?そっちのツンデレは?」
そう聞くと誰がツンデレよ!と怒った後、黙り込んでしまったため、
結局聞けずに教室へと戻る。
「私は………。誰か、助けて……」
彼女は皆が教室へと向かったあと涙を拭いながら、
その後で自分の教室へと向かうのだった。
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