第8話 (三回目)こいつ……どうやって戦うんだ? という敵キャラの登場シーンを描写してください。3
僕が住む国の領土に、魔王城が出来てしまった。
困り果てた王様は、魔王を倒した者と姫を結婚させようとお触れを出した。
討伐の報酬になる姫は可哀想だけど、ここは僕も頑張って、素敵なお嫁さんをゲットしたい!!
そんなわけで魔王城に乗り込んで、ついに魔王の間までやって来た。
僕の目の前に魔王がいる。スキンヘッドで豪華なマントを付けた、背の高い逞しい男だ。
「貴様が魔王か! よくも許可も得ず土地代も払わず、御料地に城を建てたな! 覚悟しろ!」
「バカめ! 黙っていればいいものを、ひ弱な人間如きが! 後悔するぜ?」
「ふざけ」
「きゃああダーリン、ステキぃ!!」
女の声だ。よく見ると、少し離れたところに黒いセクシーなドレスを着た、長い黒髪の巨乳美女がいる。人間の魔女みたいだ。
「任せてくれ、ハニー! この勝利を君に捧げる」
「嬉しいわダーリン、貴方を信じているわ」
「もちろん、この男を倒してすぐに君の元へ帰るさ!」
「ああマイダーリン、でも怪我なんてしないでね、心配よ」
……これって、いつまで聞いていないといけないのかな?
全然終わる気配がないんだけど……
しばらくして、どんと魔王の近くで爆発が起きた。
僕は何もしてないぞ!?
別の入り口から赤い髪とマントに黒い軍服姿の、派手な男がやって来た。
「何をしておるかね、アスモデウス! さっさと戦って負けてしまわんか。次は我の番であるぞ!」
「テメエ、ベリアル!! お前の番なんてねえ! 地獄へ帰ってろ!」
……王って、もしかして倒したら、次の王と戦わなきゃならないの?
そんなの聞いてないぞ!! しまった、何人いるかすら聞いていなかった!
僕の葛藤をよそに、二人の王は口喧嘩から魔力を使ったケンカにグレードアップしていく。
後から来たベリアルが腕から炎を出してアスモデウスに飛ばすと、彼は右手を振ってバンと弾いた。弾かれた炎は壁に当たって、壁紙が焼ける。ベリアルが剣、アスモデウスが固そうな杖を出して戦いを開始した。
「俺の城を壊しに来たのか、テメエは!!」
「ずいぶんと小さな城であるな! 王としての権威あるものに、建て直すが良かろう!!」
え、あの筋骨隆々な男が魔法系?
魔力がぶつかり合い、天井が崩れて壁にはひびが入り、床も幾つか抉られた跡が出来た。 ハニーと呼ばれた美女はこちらに避難してくる。さすがに外に逃げるようだ。
「……な、に、を、やってんだ!! お前らはァ!!!」
ドカンと大きな爆発音を立て、壊れた天井の穴から太く眩い雷が、争う二人の真ん中に落ちてきた。
今度は深緑の髪の男が空からやって来る。後ろで結んだ長い髪が、風に揺れた。
「「バアル閣下!!」」
ハモッた。実は仲良し?
「敵を前にケンカするバカがあるか!!! 来い、性根を叩き直してやる!!」
「お待ちを、これよりあの人間と戦いを……」
「そうでございますぞ、まずは生意気な人間に礼儀を教えませぬと」
「ごちゃごちゃ、うるせえ!!!」
慌てて言い訳する二人の頭に、一発ずつ鉄拳が落ちた。そして両手で一人ずつ、首根っこを引っ掴む。乱暴な人だ、コワイ。
バアルは地獄の王二人を掴んだまま僕を見た。
「おい人間、ちょっくら説教してから戻す。明日にでも出直して来い」
いやもう、戦う気なんて起きない!
「い、いえ、それが……、明日からバカンス休暇になりまして。またの機会で」
「おー、バカンスか。楽しんで来い」
そう言って、来た時と同じルートで飛んで去る。魔王二人は何とも情けない表情をしていた。
「ダーリーーーン!!!」
黒髪の巨乳美女は、アスモデウスが連れて行かれた方向を、祈るように指を組んで見送っていた。
敵を知らずに戦いを挑むとか、良くなかった。
……温泉でも行こうかな。
終わった。うーん、どうもこのお題だとドタバタを書きたくなるようだ…(笑)
他のが浮かばないのにな~!?
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